リポソームについて

そもそもリポソームって聞いてもピンと来ない人は多いとおもいます。
今日はリポソームについて少し説明したいとおもいます。

リポソームの発見

リポソームはイギリスの生物学者アレク・ダグラス・バンガム博士によって発見されました。彼が働いていた研究室が新しく購入した電子顕微鏡でリン脂質を観察した時に、観察像の中にまるで一つの細胞のような不思議な球体構造を見つけました。界面活性剤を加えると、この球体構造が壊れて内容物を放出する脂質二重膜構造を持つ性質がみられ、ギリシャ語のlipo (脂肪、脂質) と soma (体、膨らんだもの)からとってリポソーム(limo-some)と名付けました。

リポソームの構造

リポソームはリン脂質という脂肪酸の一種で出来ています。リン脂質はグリセリンにオレイン酸やリノール酸といった脂肪酸が2つ、更にリン酸を介してコリンやセリンなどが結合した成分です。生物の細胞膜中に多く存在していて、大豆や卵から抽出されたリン脂質は、食品用途ではレシチンという名前で広く利用されています。リン脂質には脂溶性の脂肪酸部分と水溶性のグリセリン部分があるため、両親媒性の特徴を持ちます。両親媒性の物質を水に入れると脂溶性の脂肪酸が水を避けるように集まり、結果として安定的な膜構造をとります。これがリポソームです。

 

リポソーム
リポソームの構造

 

 

 

 

 

 

リポソームの機能

リポソームはそのカプセル状の構造から様々な機能があります。

1.内容物のデリバリー機能・・・リポソームの中に入った成分は皮膚や腸管粘膜を通過しやすいと言われています。化粧品などで広く応用されています。

2.内容物の保護機能・・・リポソームカプセルの中に入った成分は外部の影響を受けにくく成ります。例えば分解しやすい成分の場合は安定性が向上します。

3.内容物のステルス化デリバリー・・・これは主に注射剤に用いられています。ドキシルやアンビゾームといった医薬品がこのタイプです。PEG脂質を用いたリポソームを用いることで白血球などからの攻撃を受けずに、血管内を患部まで移動し薬効を示します。

このようにリポソームには色々な働きがあり、医薬品、化粧品分野では広く使われてきました。

私たちは食品分野での用途開発に取り組んでいます。