グルテンフリーとは?!グルテンフリーっていいの?悪いの?

グルテンフリー」という言葉、聞いたことありますか?
海外セレブの間で人気に火が付き、某プロテニス選手も実施しているとしてその名が広がって、
今やスポーツ選手だけでなく、芸能人やモデルの間でも話題になることが多いのだとか。
最近、お菓子のパッケージにも「グルテンフリー」と書いてあったりしますね。

でもこの「グルテンフリー」とは、どういったものかご存知ですか?
お肌や体にどんな変化があって、なぜ人気が広がってるのでしょうか?
自分も取り入れるべき?また、取り入れる際の注意点は??

今回は、そんな疑問を一気に解消すべく、
グルテンフリーについて詳しくお伝えしていきます!


そもそもグルテンって何?

グルテン=小麦粉、と思っている方も多いかと思いますが、実はそのもののことではありません。
小麦や大麦、ライ麦など穀物の胚乳から生成される、たんぱく質の一種の「グルテニン」と「グリアジン」が水分を吸収して網目状につながったもののことで、麩質とも呼ばれています。
料理において、小麦粉に水を加えてこねる事でこれら2つのタンパク質が絡めあわされて、「グルテン」が作られます。

もちろん、小麦・大麦・ライ麦の加工品も含まれるので、パン、麺類(ラーメンやパスタ、うどん、そうめんなど)、シリアル(コーンフレーク、グラノーラなど)、お酒類(ビール、ウイスキーなど)、餃子やシュウマイの皮なども当てはまります。
さらに、そば、しょうゆ、味噌などにも、グルテンが含まれている場合があります。
みんな大好きなピザ、ケーキ、ドーナツ、クッキー、パンケーキももちろん含まれています。

こう見ると、私たちは日頃から本当によくグルテンを摂取しているということがわかりますね!
グルテンはもっちり弾力を持たせたり、ふっくら膨らませるなどの働きがあり、小麦加工食品にとって欠かせないものとなっています。

グルテンフリーとは?

そしてグルテンフリーとは、文字通り、グルテンが含まれる食品を口にしないこと。
グルテンフリーと聞くと、ダイエットの一種だと思われる方も多いでしょう。
しかし、もともとは「小麦アレルギー」や「セリアック病」の治療法として生まれたものです。
なーんだ、だったら自分には関係ないな!と思ったそこのあなた!
もしかするとあなたも、「セリアック病」ではないにしろ、「小麦アレルギー」もしくは「グルテン過敏症」に該当している可能性があります。
以下の症状がないか、読み進めてみましょう!

◾️セリアック病

セリアック病とはグルテンに対する遺伝性の不耐症で、グルテンを食べると小腸がダメージを受け、栄養が吸収できなくなります。
また、腹痛・下痢・倦怠感などのさまざまな症状が現れます。
欧米人に多く見られますが、その地域以外で発症することはまれとのことです。

◾️小麦アレルギー

小麦の中の特定のタンパク質を消化器官で吸収したときに体が異物と認識して、排除しようとアレルギー反応が引き起こされます。
小麦アレルギーの症状はさまざまです。
蕁麻疹や痒みなどの皮膚の炎症、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器官の乱れ、また呼吸困難やアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

小麦アレルギーには、
・即時型アレルギー
・遅延型フードアレルギー
・接触型皮膚炎
の3種類があり、小麦アレルギーが発症するまでの時間は種類によって大きく異なります。

<即時型アレルギー>

即時型アレルギーとは、小麦を食べてから2時間以内(多くの場合は食後30分以内)に発症するアレルギーのことで、皮膚や粘膜の炎症、消化器官、呼吸器官の乱れなどの症状が見られます。
気管や食道が腫れて狭くなるので、苦しくなったり喉に引っかかるような違和感があります。
0歳~2歳までの幼児期は、卵などが即時型アレルギーの原因になりやすいですが、18歳以上の大人は甲殻類や小麦が原因となるケースが多くなります。
即時型アレルギーの症状は人それぞれですが、アナフィラキシーショックを引き起こすと、最悪の場合いのちにも危険が及ぶ恐れがあるので注意が必要です。

<遅延型アレルギー>

即時型とは違い、小麦を食べてから数時間、数日経ってから症状が出るアレルギーのことを遅延型アレルギーと呼びます。
症状は即時型アレルギーとは異なり、なんとなくお腹の調子が悪くなったり、だるい、むくみ、頭痛やめまい、肩こり、慢性疲労、精神症状など、アレルギーとは関係なさそうな症状が発症することがあります。
遅延型アレルギーの場合は症状が緩やかなので診察などをせず、自分でもアレルギーだと気づかないことが多々あります。
アレルギー検査をしようにも、一般の病院では行っていない特別な検査をしないと遅延型のアレルギーはわかりません。

また、小麦アレルギー、特に遅延型の小麦アレルギーは、大人になってから発症することがあります。
今まで普通に食べていたパンやお菓子に、いつの間にかアレルギーが出るようになっていても
「なぜか肌荒れが治らない」「最近なぜかお腹の調子が悪い」と思うだけで、なかなかアレルギーには気づいません。
いつの間にか慢性的な体調不良の原因になっているかもしれないところが、遅延型アレルギーの怖いところです。

<接触性皮膚炎>

接触性皮膚炎は、口にするだけでなく、小麦の含まれた製品に触れるだけで発症するので、十分注意が必要です。

◾️グルテン過敏症

近年、小麦アレルギーでもセリアック病でもないのに、グルテンの摂取により身体に何らかの不調が出る方が増えています。
こういった疾患は「グルテン過敏症」や「グルテン不耐症」と呼ばれていて、品種改良された小麦の出現により発生した比較的新しい病気であると言われています。

グルテンはその粘り気と弾力のせいで分解されにくく、未消化のまま腸へたどりつき、粘膜にこびりついて腸に炎症を起こしてしまいます。
すると本来であれば排泄されるべき腸内の毒素や老廃物が体内に吸収されてしまったり、栄養を吸収できなくなって、肌荒れなどの不調が起きてしまいます。
小麦アレルギーの遅延型と同様、グルテンを摂取して数日経ってからゆっくり症状が出るため、気付きにくいです。
実際、グルテン過敏症の人のうち、99%は、自分が「グルテン過敏症である」と気づいていないといわれています。
「何となく調子が悪い」のが特徴で、他、肌が荒れたり、精神状態が不安定になったり、疲れやすい、体調がすぐれない、頭痛がする、関節が痛む、など症状はさまざまです。
このようなグルテン過敏症は、はっきりとした診断方法も確立していません。
なんとなく心当たりがあるようであれば、2週間、まずグルテンを食事から除去してみましょう。
グルテン除去の期間中、体調が急によくなり、食事を戻すと体調が悪化するようであれば、グルテン過敏症の可能性が高いのです。

グルタンフリーがここまで世界中に広がった理由は、グルテン過敏症の人が「グルテンフリー」を実践すると心身の不調が改善した例がとても多かったためだと言われています。


グルテンフリーのメリット

上記のように、もともとグルテンフリーは「セリアック病」や「小麦アレルギー」の症状が出る人たちの体質改善が目的の食事療法でしたが、
近年、とても多くの効果があると話題になっています。
その一番の理由は、「腸内環境」が改善されることにあります。
健康的な体や美しい肌に重要なのが、腸内環境。
上記でも書いたようにグルテンは腸に炎症を起こし腸内環境を悪化させてしまうことがあるため、肌が荒れたり疲れが抜けなくなったりさまざまな不調を引き起こす原因となります。
グルテンフリーは、腸内環境が改善されるため、美肌や体質改善などさまざまな効果が期待できるというわけなのです。

そして、グルテンフリー=ダイエットの一貫と思っている方が多いように、グルテンフリーはダイエット効果も期待できます。
グルテンには食欲を増進させる効果があり、また中毒性があるともいわれています。
このグルテンを摂取しないようにすれば、自然と食欲を減らすことができ、食べすぎを防ぐことが出来ますね。
また、グルテンには血糖値を上げる働きもあるため、控えることで血糖値の上昇を抑え、脂肪を体に溜め込みにくくすることもできます。

他にも、
・ 精神の安定
・ 集中力向上
・ 免疫力アップ
・ 疲れにくくなる
・むくみがとれる
・寝起きがよくなる
・疲れにくくなる
などの効果がある方もいます。
もちろんこの効果は人によって出方が異なり、何の変化もない人もいます。
「もしかするとグルテン過敏症かも?」と思うところがある人は、まずは一定期間、グルテンフリー生活を試してみてはいかがでしょうか?
早ければ1週間ほどで『肌がしっとりしてきた』という人は割と多いですよ!


グルテンフリーの始め方と注意点

グルテンフリーはどのようにして始めれば良いのでしょうか?
簡単に始められる3つの方法をご紹介します。

◾️「和食中心」の生活にする

グルテンフリー生活を始めようと思ったら、まずは和食中心の食生活にすることから始めましょう。
食生活を見直してみると、朝食でパンやシリアルを食べていたり、ランチでパスタやラーメンを食べていたり、思っていた以上に小麦を摂取していることがわかります。
日本人の主食である白米はグルテンフリーなので、まずは食生活を和食中心にすることを心がけてみましょう。
お米はパンやパスタなどの小麦食品よりも腹持ちがいいため、食べ過ぎ予防にも効果的です。

◾️「米粉」を代用する

最近は、小麦の代わりに米粉やそば粉、大豆粉を使用した食品も多く販売されています。
特におすすめなのが米粉です。
米粉は吸湿性が高く、パンやピザに使用するともちもち、しっとりした食感になります。
また、腹持ちが良いため、少量でも満足できるでしょう。
さらに油の吸収率が小麦粉よりも低く、揚げ物に使っても低カロリーに仕上がるのも嬉しいポイントです。

グルテンは食生活に溶け込んでいてグルテンを完全に断つことは難しいので、断つことより「小麦粉を米粉に置き換える」ことに意識を向ける方がストレスが少なく済みます。
米粉のパンや、米粉で作るお好み焼き、米粉で作るケーキ、米粉をつなぎに使うハンバーグなど、
米粉を活用してみましょう。

米粉は小麦粉より少々高価ですが、グルテンをいっさい含まないため、安心して食べられます。
ただし、市販品には少し米粉を入れてあるだけの小麦粉主体のパンでも「米粉パン」と名乗っている商品もあるので気をつけましょう。

 

◾️グルテンフリーの食品に目を向ける

グルテンフリーの食品には、米、そば粉、葛粉、大豆、とうもろこし、果物、野菜、豆類、ゴマ、肉、鶏肉、魚、貝類、ナッツ、卵、蜂蜜、米パン、もち、イモ類、肉類、和菓子、ヨーグルト、豆乳、甘酒などがあります。
サンドイッチの代わりにおにぎり、ラーメンやうどんの代わりにそばや春雨などを選ぶようにしましょう。

★グルテンフリー食で気をつけるべきこと

◾️食物繊維を摂る

グルテンフリーには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
グルテンフリーを実践することで小麦を摂らなくなると、食物繊維が不足してしまう可能性があることです。
グルテンフリーを行う場合は、りんごやバナナなどの果物、豆類、きのこ類、海藻類など、食物繊維を多く含む食材を意識して摂るようにしましょう。

◾️米粉の摂りすぎに気を付ける

小麦粉の代わりにすべて米粉を使っていると、今度は米粉感受性が高まってしまい、体内(特に腸)では、アレルギー反応が出てしまう可能性があります。
どんな食材でもそうですが、繰り返し同じものを食べ続けるのは良くありません。
アレルギーは、即時性だけを考えるわけではなく、遅延型の場合もあります。
遅延型アレルギーはすぐに症状が出ないため、非常にわかりにくく、
後になって(数時間や遅い時は2~3日後)症状が出るので、何が原因か分からなくなりがちです。
新たなアレルギーが始まってしまわないように、同一食材の過剰摂取は避けるようにしましょう。

結局、一番大切なことは、バランスの良い食事に尽きます。
和食に目を向け、さまざまな栄養素を摂ることが何にも勝る健康法です。

◾️ストレスをためない

現在、私たちの周りにある食べ物にはグルテンを含むものが非常に多いので、グルテンを完全に除去するとなるとかなりのストレスになることは目に見えています。
「思っていたより食べられるものに制限がある」「美味しいものが食べられない」などは、グルテンフリーを始めてすぐに感じる方が多いでしょう。
グルテンによってかなりの症状が出ている場合は、完全に除去食をとった方が良いですが、程度によっては無理をしないよう「できる範囲で」やる方が良い場合もあります。
グルテンを完全に避けた食事をするとして、メニューのバラエティが豊富で、ほかから栄養素の補填ができる料理スキルやがあるのならいいのですが、それができない人が安易にやってしまうとストレスにつながるどころか、
最終的に「食べない」という選択肢を選んでしまい、栄養やエネルギーが不足しかねません。

実践する場合は、決して無理をせず、少しずつ生活に取り入れていきましょう。
始めから完全なグルテンフリーを目指すのではなく、小麦を少し減らすところから始めて、まずは7日間、次は14日間など、少しずつ日数を伸ばしていくのがおすすめです。


まとめ

グルテンを含む食品は身近なものばかり。
「長年食べ続けているけど私は特にこれといった不調を感じないから大丈夫!」と思う人も多いと思います。
しかしもし、最近お肌の調子が良くない、便秘や下痢など、お腹の調子が悪い、疲れやすい、十分寝ているはずなのに寝起きが悪い、日中も頭がすっきりしない、など、何らかの不調に心当たりがあれば、グルテンフリーを試してみる価値はあるかもしれません。
もちろん、すべての方に効果が出るとは限りませんが、
もしかすると劇的に良くなる可能性もあります。
まずは1週間。
一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?