話題のアンチエイジングサプリ「NMN」とは?!

皆様、「NMN」という言葉を聞いたことがありますか?
ここ数年、この言葉は急速に世の中に認知され、美意識の高い方なら既にご存知の方も多いのではないかと思います。
NMNとは、一言で表すと「若返り」を可能にした、魔法のような物質。
若返り?本当に?と思った方もいらっしゃるかと思いますが、
今回は、NMNがいかにすごいかをお伝えさせて頂きます♪


NMNとは、マウス実験で2016年に抗老化や若返りの実現として「NMNの抗老化作用が明らかになった」と発表されたもので、
さらに2020年に「安全性」が立証されております。

NMNを与えられた生後22か月のマウス(人間では60歳程度)が、生後6か月(人間では20歳程度)の身体に若返った研究や、糖尿病のマウスにNMNを与えると、血糖値に劇的な改善が見られました。
この結果から、NMNは高い確率での若返り効果が期待されており、それは諸々の臨床研究で解明され始めています。

NMNとは?

NMNの正式名称は「Nicotinamide mononucleotide(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」です。
ビタミンB3(ニコチンアミド)を材料としてヒトの体内で自然に生成される成分ですが、加齢と共に生成量が減少していきます
NMNは体内に取り込まれると「NAD+」という補酵素に変換されます。(つまり、NMNはNAD+の前駆体です。)
NAD+は「nicotinamide adenine dinucleotide(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」を略した呼び方で、
身体の老化を抑える役割を持つ長寿遺伝子群(サーチュイン遺伝子)を活発にさせる作用やエネルギーを産生する働きがあり、若さや健康に影響を与えます。

ならば最初からNAD+を摂取すれば良いのでは?と思うところですが、
NADは分子量が大きく、また消化器官で分解されるため、細胞には取り込まれません。
そのため、体内のNAD+を増やすにはNMNを利用して生産する方が、より迅速で効率的なのです。
また、NAD+の前駆体はNMNのほかにも存在しますが、NMNはNAD+の直接の代謝産物であって、直接体内に吸収される物質のため、最も効率的なNAD+ブースター(効能を高める作用)とされています。

※NAD「+」とプラスの文字がついているものとついていないものとがありますが、
「+」の意味は単に正の電荷を帯びているという事を表しています。
NAD分子は電子を受け取る(還元)または、電子は失う(酸化)という酸化還元の反応を繰り返す為、電荷を帯びている状態のNADをNAD+と表現します。


NMNを多く含む食品は?

NMNはブロッコリー、アボガド、枝豆、マッシュルーム、キャベツ、キュウリなど、どれもすぐ取り入れる事が簡単な食材からも摂取できますが、その含有量含は極わずか。
100mgを摂取したい場合はそれらの食材を数十kg食べなければならず、現実的ではありません。
そのため、サプリメントや点滴での摂取が注目されています。


NMNによって産生されるNAD+の働き

NAD+ はすべての生き物の細胞内に存在し、全ての細胞の生命維持に必要な補酵素です。
NAD+は、以下の2種類の方法で老化抑制に利用されることが期待されています。

1.サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化する

「長寿遺伝子」や「若返り遺伝子」と言われるサーチュイン遺伝子は、
細胞から哺乳類まで幅広く生物に存在するタンパク質で、脳の視床下部(ししょうかぶ)に多く存在しています。
老化・寿命の抑制に関する特別な酵素であり、健康寿命を延ばすことができる夢の遺伝子と期待されています。

ヒトとマウスはサーチュン遺伝⼦を7種類持っています(Sirt1-7)が、
NADは、この7種類あるすべてのサーチュイン遺伝子を活性化させます。

サーチュイン遺伝子は100近い老化要因を抑え込む「司令塔」であり、
これが活性化すると、細胞の分裂スピードを管理し、細胞の寿命を延ばすことができると言われています。

様々な身体の不調に、身体の老化を抑える役割のあるサーチュイン遺伝子の働きの低下が関係すると見られています。
サーチュイン遺伝子の活発化に欠かせないNADは、加齢とともに減少してしまいます。(50代では20代の半分まで低下すると言われています。)
加齢ともにNADが低下することで、サーチュイン遺伝子のスイッチがなくなり(休眠状態となり)、老化が進み、臓器や組織の機能が低下すると考えられています。

サーチュイン遺伝子は誰もが持っているもので、サーチュイン遺伝子の働きが活発になれば、
加齢の速度を遅らせ、様々な身体の働きの低下の抑制が期待できると言われています。
つまり、アンチエイジングにはサーチュイン遺伝子の働きが要り、そのためにはNADが必要となります。
またそのためには、NMNを補う事が必要なのです。

2.ミトコンドリアを活性化させる

NADは、ミトコンドリアが糖や脂肪酸からエネルギー(ATP)を産生するために重要な補酵素です。
ATPはすべての生物が生きるために使うエネルギーで、NADがないと生物は生きていけません。

NADは加齢とともに減少し、その影響でミトコンドリアの活力も落ち、生み出すエネルギー量も低下すると言われています。
NADは50代では20代の半分まで低下すると言われているため、歳をとると若いころには感じなかった変化が体に現れるのもそのためです。
人は誰しも歳をとるものですが、いつまでも元気でいるためには、エネルギーを生み出す力を維持する必要があります。

NADは、ミトコンドリアのATP 産生を促進し、より多くのエネルギーを生み出し健康を維持すると期待されています。


NMNはどれだけ摂取すればいい?

文献では、1日約250mgを10週間飲むことで一定の効果が確認されておりますが、NMNは薬ではない為、1日250mgと決まっているわけではありません。
おおよそで、150mg~300mgが理想なようです。
サプリメントでも1日あたり100mg〜250mgほどの分量で販売されているものが多いです。
(LipoVit NMNは 1包あたり300mgです。)

なお、20~30歳の健康な成人がNMNを摂取しても、大きな効果は期待できないとされています。
これは、NMNが本来私たちの体内で自然に生成される物質であり、特に若年層の世代では、必要な量のNMNを自力で合成できる能力を持っているためです。
NADが減少してきていている40~50代の中高年にお勧めのサプリメントと言えるでしょう。

また、体内にあるNADはNADはサーカディアンリズム(概日リズム)という体内周期に合わせて変動し、ヒトの場合は最も活動量の多い日中に上がるので、NMNは朝か午前中に飲むのが良いでしょう。


NMNに危険性はある?

NMNは体内でも生産される物質のため、摂取することで悪影響があることは基本的にないと言われています。
研究でも、人体に害のある反応は見られず、NMNは安全に摂取できることが明らかになっています。

また、慶応義塾大学の研究では、1日に500㎎までは安全に摂取できることが明らかになっています。
摂りすぎた場合でも尿として排出されるので、過度に心配する必要はありません。

しかし持病がある、現在治療中で薬との飲み合わせが気になる等の場合は、医師に相談しましょう。


まとめ

冒頭でも述べた通り、マウスを用いた研究で「NMNを摂取すると人間でいうと60歳相当が20歳相当になった」ことが確認されました。
しかし、これはあくまでもマウスによる話。
それだけの若返りというのは人間ではまだ証明された研究はなく、
NMNが人間の健康にどの程度寄与するのか、また、どの程度の量を摂取すべきなのかといった具体的な情報については、現在も研究が進行中です。

NMNに関する研究は日進月歩で進み、毎月のように新しい研究結果が発表されています。
まだまだ研究途中ではありますが、可能性は無限大。
「細胞の老化を防ぎ、若々しく活動を続けるための鍵となる」として、
NMNはまだまだ新しい可能性が開けてくるのではないかと期待されています。

死ぬ直前まで健康で人生を楽しむ。
その一つの可能性が、NMNなのかもしれません。