ストレスは肌荒れを引き起こす?!ストレス対策が美肌への近道!

「ストレスで肌が荒れる」ということを聞いたことはありますか?
または、実際に「ストレスで肌が荒れた!」という経験はありますか?
ではなぜストレスで肌が荒れるのか、その理由をご存知でしょうか。

実はストレスを感じたとき、私たちの身体の中ではさまざまなことが起きています。
今回は、ストレスを感じたときに私たちの体内で起きる現象と、ストレスが肌に与える影響についてお伝えします。


そもそもストレスとは?

ストレスとは元々、外側から圧力や刺激を受けて物体にゆがみが生じた状態のことを言います。
そこから派生して、外部からの刺激を受けたときに生じる体や心の反応のことをストレスと言うようになりました。

ストレスを引き起こす原因のことを「ストレッサー」といいます。
「ストレス」というと、職場や家庭などでの不安や緊張・イライラなど、心理的なものばかりをイメージしがちですが、
実は、暑さや寒さといった気温の変化、有害物質など環境的なもの、睡眠不足や病気、怪我など身体的なものもストレッサーに含まれます。

ストレスは、ストレッサーによって引き起こされる、人間にとって自然な「リアクション」です。
ストレス=悪と決めつけがちですが、実は適度なストレスは交感神経系を目覚めさせ、判断力、行動力、集中力を高めるという良い面もあります。
しかし、ご存知の通り、過度なストレスやストレス状態が長引くと、心身に様々な影響を及ぼします。


なぜストレスで肌荒れするのか?

ストレスとは何かが分かったところで、いよいよ本題です。
なぜストレスで肌トラブルが起きるのでしょうか?
それは、ストレスによって自律神経系内分泌系において、ストレスに対抗するべく〝ある現象〟が起きるからです。
詳しく見ていきましょう。

ストレスを脳が感知すると、視床下部を経由して、①「自律神経系」と②「内分泌系」のルートに分かれて伝達されます。
そしてその結果、③「免疫系」に影響を及ぼします。

①自律神経系

自律神経には、交感神経副交感神経があります。
起きているときや緊張状態にあるときに優位になるのが交感神経で、寝ているときやリラックスしているときに優位になるのが副交感神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経が互いに入れ替わりながらバランスを保っています。

人はストレスを受けたとき、その事態に対処しようと興奮や緊張を司る交感神経が優位になります。
ストレスという非常事態を乗り切るために、体が戦闘態勢を整えているようなイメージです。
体は活動・緊張状態になり、心拍数は上昇、血管は収縮し、血圧も上昇します。
また、ノルアドレナリンを急激に分泌しストレスに対抗しようとします。

②内分泌系

ストレスを感じると、体の中ではホルモンを分泌させて、ストレスに対抗しようします。
ストレスに反応するホルモンはいくつか種類がありますが、代表的なホルモンは「コルチゾール」です。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種で、
心身がストレスを受けると急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

コルチゾールの役割は、一時的なストレスから身を守り、体の正常な状態を維持することです。
しかし、過剰なストレスを受け続けるとコルチゾールの分泌が慢性的に高くなり、その結果、下記で述べるような影響を及ぼします。

③免疫系

過度なストレスがかかったり、長期間にわたりストレスがかかり続けると、①②の状態が続くこととなり、
その結果、体内のホルモンバランスが乱れ、免疫機能の低下や過剰な暴走を招きます。

◾️ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、ストレスによる自律神経の乱れから、お肌を生き生きと健やかに保つ女性ホルモンの分泌が減少し、代わりに男性ホルモンの分泌が増えることがあります。
男性ホルモンのアンドロゲンは、皮脂の分泌促進や異常角化(角質細胞を過剰につくり出すこと)などの作用があります。
増えた角質が毛穴を防ぐことで、皮脂が毛穴に詰まってしまい、吹き出物やニキビ・くすみができやすくなります。
(ストレスがある場合、ない人に比べて皮脂の分泌量は約1.7倍になるという調査結果もあります。)

◾️ターンオーバーの乱れ

ストレスから自律神経が乱れると免疫機能の低下が起こります。
すると肌のターンオーバーも低下するため、肌荒れに繋がる可能性があります。
(※ターンオーバーとは、皮膚の細胞が生まれ変わるサイクルのこと)

ターンオーバーは、肌の美しさを左右するためにとても重要な働きです。
ターンオーバーが乱れると、肌の水分を保つことが難しくなり、乾燥しやすくなります。
すると肌のバリア機能が低下し、外部刺激にも敏感になり、皮膚への様々な外的刺激によって肌荒れしやすい状態になります。

◾️血行不良

上でも述べたとおり、ストレスで交感神経優位の状態が続くと、血管が収縮して血行不良を引き起こしやすくなります。
血液がスムーズに循環しなくなると、肌に必要な栄養が届かなくなったり、老廃物の排出が滞ったり、冷え性を引き起こしたりします。
冷えは肌の乾燥を誘発しバリア機能を低下させ、湿疹、痒み、赤みなどの肌トラブルに繋がります。

◾️活性酸素の増加

ストレスを感じると、体は活性酸素を大量に発生させます。
増えすぎた活性酸素は肌細胞を攻撃して、肌の弾力やハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、しわやたるみを引き起こし、肌老化を進めます。
さらに、活性酸素が大量に発生すると、活性酸素の攻撃から肌細胞を守ろうとしてメラニン色素も大量に発生し、これがシミができる原因となってしまいます。

◾️コルチゾールによるセラミド分解

脳がストレスを感じると、「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されると上でも述べましたが、
このコルチゾールは過剰に分泌すると、お肌の水分を保持する「セラミド」を分解してしまうことがわかっています。
このセラミドが不足することで、肌の乾燥を引き起こし、肌のバリア機能が弱くなり乾燥肌や肌荒れの原因になります。


ストレス対策法5選

ストレスによる肌トラブルを防ぐには、根本の原因であるストレスをためないことが肝心です。
しかし、現代社会において日常のストレスを避けて通ることはできません。
だからこそ、ストレスそのものを排除するだけではなく、ストレスをうまく発散する方法を見つけることが大切です。
有効なストレス発散方法は人によって異なりますので、自分にとってストレス発散となる方法を探してみましょう。
ここからは、ストレス軽減法を5つ紹介しますので、ストレスを感じている方はぜひ参考にしてみてください。

◾️十分な睡眠をとる

ストレスを感じたときは、しっかり睡眠をとって身体を休めることが大切です。
睡眠不足になると、心も身体も疲れた状態になり、ストレスが溜まりやすくなります。
睡眠は心と身体をリフレッシュする大切な時間です。
また肌にとっても、睡眠は傷んだ肌細胞を修復して正常なターンオーバーを促す美容タイムです。
ストレスを感じたらいつもより早く寝るよう心がけましょう。

◾️適度な運動をする

適度な運動は、気分転換やストレスの解消につながります。
また運動はストレスを軽減する他、睡眠リズムを整える作用や、血の巡りを良くしてターンオーバーを促す作用もあります。
特に効果的なのは軽めのランニングやウォーキングなどの有酸素運動です。
軽く汗ばみスッキリしたと感じられる、身体が温まる程度の運動をしてみましょう。
また汗をかくことは、新陳代謝を活発にして、美肌を保つことにも繋がります。

◾️スキンケア

乾燥肌などストレス性肌荒れには、保湿やスキンケアが大切です。
ストレスによって保湿力の低下した肌にしっかり化粧水などで潤いをあたえましょう。
また、スキンケアにはリラクセーション効果があるとも言われています。
ゆったりとした気持ちで丁寧に行いましょう。

◾️入浴

入浴は自律神経の乱れを整える絶好の時間です。
副交感神経を優位に立たせるために38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。
血行が促進され、肌荒れにも効果が期待できます。
また、香りは脳に働きかけ、リラックスさせる作用があるといわれています。
入浴時は自分が好きな香りの入浴剤やアロマを活用するのもいいですね。

◾️ビタミンCを摂る

副腎には、普段大量のビタミンCが貯えられていますが、ストレスが加わると、急激にその量が減ります。
抗ストレスホルモンを作るのにビタミンCが使われるためです。
そのため、ストレスが溜まるとビタミンCが不足しがちになります。
ビタミンCは美容と健康には欠かせない栄養素なので、ストレスを感じる時、肌が荒れている時はサプリメントなどで積極的に摂るようにしましょう。


まとめ

心の状態は、身体や肌に現れます。
つまり、肌を綺麗に保つには、心を整えることも大切です。

肌はストレスによる症状が特に現れやすい場だと言われています。
もしあなたが今、なかなか治らない肌荒れや乾燥肌に悩んでいるなら、その原因は日頃のストレスにあるかもしれません。

そんなときは、じっくり自分自身と向き合う時間をつくり、焦らずに解決策を探しましょう。
ストレスを減らすためには、楽しい時間やリラックスできる時間を持つことも大切です。
ストレスをうまくコントロールする自分なりの方法を見つけ、ストレスからの肌荒れを防ぎましょう!