大さじ1杯飲むだけ?!お酢が美容と健康に良い理由

以前、血糖値を急上昇させないことの重要性や、糖化ケアで老化を防ぐ方法を書かせていただきましたが、
実は、その2つともに共通する“魔法のアイテム”があることに、あなたはお気付きでしたでしょうか?
しかも、○○を大さじ1杯飲むだけ!
時間もお金も労力もかからない、その意外な方、○○とは…?!

ズバリ、お酢です。

お酢の健康効果については数年前からテレビや雑誌などさまざまな場面で取り上げられていて、
すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
でも、どれぐらい普段の食事に取り入れられていますか?
その健康効果を、具体的にご存知でしょうか?

今回は、そんなお酢の美と健康効果について、詳しくみていきます。


酢の基礎知識

酢は、人類が作り出した最古の調味料です。
その薬効や健康への効果は古くから知られていますが、科学的に検証されたのはここ約30年の間で、
最近は特にお酢が持つ力について見直す動きが広まっています。

ところで、お酢がどのようにして作られているのかご存知ですか?
お酢は、穀物や果実、野菜などの糖質を含む食品を原料として、それをアルコール発酵させた後、そこに酢酸菌を入れてさらに発酵(酢酸発酵)させることで作られます。
こうして完成したお酢にはアミノ酸や糖類など様々な栄養素が含まれていて、そのうち最も多い成分が酢酸(さくさん)です。
この酢酸こそが酸味のもとであり、美と健康をサポートしてくれるのです。


お酢に期待できる健康効果とは?

身体にとってうれしい効果がいっぱいのお酢。
どのような効果が期待できるのでしょうか。

■食後の血糖値の上昇を緩やかにする

お酢には、食事後の急激な血糖値の上昇を抑える効果があります。
口から摂取した食品が胃中で留まる時間を延ばす作用と、小腸での糖の吸収を抑える作用があるためです。
血糖値は筋力や臓器のエネルギーとなるものですが、食後の短時間で急上昇してしまうと体にダメージを与えてしまいます。
急激な血糖値の急上昇が繰り返されると、体脂肪の増加を招きやすく、糖尿病につながる恐れもあります。
食前にお酢を取り、血糖値の急上昇を抑えましょう。

■内臓脂肪の減少を助ける

酢に含まれる「酢酸」には、脂肪の合成を抑え、脂肪の分解を促す働きがあります。
実際にお酢の摂取により、内臓脂肪が減少したという研究結果があります。
同時に内臓脂肪だけでなく、体重・腹囲・BMIの低下も認められています。
さらに、酢酸を摂ると運動後に活性化する酵素が生じ、運動をしている時と同じような現象が体内で起こることもわかっています。
肥満気味でかつ内臓脂肪が高めの人は、ダイエット法のひとつとしてお酢を取り入れるのもおすすめです。

■高めの血圧を下げる

お酢に含まれる酢酸が、血圧の上昇を引き起こすホルモンの分泌を抑えてくれるため、血圧上昇を緩やかに抑制することがわかっています。
また、血管を拡張させる作用もあるため、血圧を改善することも期待できます。
なお、正常な血圧の人がお酢を摂取しても血圧は低下しないのでご安心ください。

■疲労回復効果

お酢に含まれる酢酸は、体内に入るとクエン酸に変わり、疲労の原因となる乳酸の生成を抑えたり、分解して、疲労回復を早める働きがあります。
そして、疲労を回復するだけでなく、新たなエネルギーを生み出して疲労感を取り除くはたらきを持っていて、疲労が溜まりにくい体をつくります。
また、お酢とブドウ糖を一緒にとることで、ブドウ糖だけでとるよりも効率よく筋肉のグリコーゲンを補い、疲労回復が早まります。
糖分を摂る時は一緒にお酢を摂取すると、より効果的に疲れを癒やすことができるので、ぜひ活用してみてください。

■食欲増進効果

お酢の主成分である酢酸には唾液や胃液の分泌を促進する働きがあり、食欲を増進させます。
酢のさっぱりとした酸味が味覚や嗅覚を刺激してくれるので、食欲がない時は、酢を使った料理を食べましょう。

■防腐・静菌効果

お酢は強い酸性を示すため、抗菌作用、防腐効果があります。
そのため、酢飯、ピクルス、らっきょう、酢漬け、マヨネーズなど、お酢の酸性を利用して保存性を高めている食品は多くあります。
また、調理器具や食器、キッチン周りなど、食品が触れる場所の洗浄や殺菌に洗剤・化学薬品を使いたくないとき、お酢は安全な殺菌剤として活用できます。
酢を含ませたキッチンペーパーでお弁当箱をサッと拭くのも良いでしょう。

■カルシウムの吸収をサポート

吸収率の悪いカルシウムは、お酢と一緒に摂ることで効率良く摂取することができます。
クエン酸にはキレート作用といって、カルシウムを包み込んで体内に吸収されやすい状態に変える働きがあります。
酢酸は体内でクエン酸に変化するので、お酢を摂ると、カルシウムの吸収を良くすることができるのです。

■減塩効果

お酢は、減塩を心掛けている方にもオススメです。
お酢は塩味をまろやかにさせ料理に風味をプラスするので、塩分を少なくしても物足りなさを感じさせず、塩分の摂り過ぎを軽減してくれます。

■腸内環境の改善・便秘改善

お酢には胃酸の分泌を促す作用があり、胃や腸を刺激し、ぜん動運動を活発にします。
また、酢酸には腸内の善玉菌を増やす働きがあるため、腸内環境が改善されます。
双方の結果、便秘の予防や改善に役立つ効果が期待できます。
便秘を改善したい方にはおすすめの調味料です。

■美肌効果

お酢には、肌荒れの原因となる過酸化脂質の上昇を抑える働きがあります。
また、ビタミンCを壊してしまう酵素の働きを弱めてくれる作用があるため、ビタミンCと一緒に摂取することで、より高い美肌効果が得られると考えられています。
そして、上で述べた腸内環境の改善により便通もよくなることも、美肌効果の理由のひとつです。
便秘が解消されると栄養素の吸収も良くなり、肌細胞の代謝が良くなって美肌に繋がります。


お酢は何cc摂ると良い?お酢の上手な摂り方

酢は1日に大さじ1~2杯(15ml~30ml)くらいを毎日摂り続けることで効果が得られるといわれています。

大切なポイントは、お酢を「毎日続けて」摂取するということです。
お酢を摂る時間帯は朝昼晩いつでも構いません。
朝に摂ると血糖値の上昇が緩やかに。
夜に摂ると疲労回復の効果が期待できます。
数回に分けたほうが効果が持続するのでおすすめです。

また、もう一つの大切なポイントは、3ヶ月以上続けることです。
普段の食事を一品お酢料理に変えてみたり、食べる前に少しお酢をかけてみるなど、お酢を摂ることを心がけてみましょう。
ご自身の生活スタイルや体調に合わせて、毎日の中で無理せず摂るよう工夫をしてみてください。


お酢とる際の注意点

ここまで酢の効果を紹介しましたが、酢の摂取には少し注意が必要です。

■空腹時を避ける

酸の強いお酢を空腹時に摂ると消化器官が過剰に刺激されるので、刺激を強く感じることがあります。
また、お伝えしたようにお酢には食欲増進効果があるため、空腹時や食事前にお酢を飲むと、その後の食事量が増える恐れがあります。
空腹時の摂取は避け、食事の中で摂取したり、食後に摂ったりするのがおすすめです。

■原液で飲まない

調味料のお酢には5%前後の酸度がありますので、そのまま飲むと胃や喉を痛めるおそれがあります。
お酢を飲み物として飲む場合は、水やお湯、ソーダ、牛乳等、他の飲み物で5~10倍に割って薄めてから飲むとよいでしょう。
自分が飲み易いと感じる程度に薄めて頂いて結構です。薄め過ぎて効果が失われるという事はありま せん。
また、どうしても酸味が気になる場合は、はちみつを加えると飲みやすくなります。
飲料として販売されている商品は、商品の指示を確認してください。

■過剰摂取しない

酢の過剰摂取は、歯のエナメル質を溶かしたり胃腸を荒らすなどの害にもつながるので、摂取量は少量から始めることをおすすめします。
美容や健康効果を期待するのであれば、1度にたくさん摂るのではなく、少量を継続的に摂るようにしましょう。
特に胃腸の弱い方は酢の摂り過ぎには注意が必要です。

■人工甘味料・砂糖の入った酢に注意

市販されている風味のよいお酢ドリンクには、砂糖がたくさん入っていることがあります。
ダイエット目的でお酢を飲むはずが、かえって過剰な糖分を摂取してしまいカロリーオーバーになることも…
また、着色料、香料、ブドウ糖果糖液糖などの添加物が入っている場合もあります。
お酢を購入する際は、ラベルを確認し、糖分や添加物が入っていないものを選ぶと良いでしょう。


いかがでしたか?

健康的で美しい身体を目指す人の強い味方になるお酢。
その恩恵にあやかるには、毎日継続して摂取することが大切です。
「食事に大さじ1杯のお酢を取り入れる」
これこそが健康・美容への近道なのです!
お酢は、酢の物など手軽に食事として取り入れやすい調味料なので、
習慣になればそんなに苦ではないはず。
是非食べ方や飲み方を工夫して、皆様の普段の食生活に上手に取り入れてみてくださいね!

最後に。
酢を摂取するだけで直接健康に役立つ、というわけではありません。
あくまで、バランスのとれた食生活が大事である、ということが大前提です。
バランスのとれた食生活があってはじめて、酢の効果が最大限に発揮されるということを忘れないでおきましょう♪