あなたの副腎、疲れていませんか?そのだるさは副腎疲労のせいかも

最近寝ても疲れが取れない…
朝起きるのがつらい…
気分が落ち込んでやる気が出ない…
そんな症状はありませんか?

それ、もしかすると「副腎」が疲労しているかもしれません。
現代人は自覚している・いないにかかわらず、慢性的なストレスにさらされており、
知らず知らずのうちに副腎に疲労を溜めがちです。
特にまじめでがんばり屋さんな人ほど、副腎疲労になってしまっている傾向にあります。

他にも、
・塩分や糖分の高いものが食べたくなる
・カフェインをとらないと仕事ができない
・立ち上がるときに頭がクラクラする
・思考や記憶があやふやになりがち
・些細なことでイライラする
・性欲の低下
・PMS(月経前症候群)の悪化
・倦怠感がある
・ストレスに対処できない
・軽度のうつ
・朝10時頃まで目が覚めない
・午後3~4時頃の間にぼんやりしている
・夕食後、やっと元気になる
・慢性的に眠い
・ 毎日、アルコール類を飲まずにはいられない
・ 集中力がなく、記憶力が低下した
・ 疲れていても、寝つきが悪い
・ 眠っても3時間程度で目覚めてしまい、その後なかなか眠れない。

などの症状はありませんか?
上記に当てはまっている数が多ければ多いのど、副腎が疲れている可能性は大きくなります。


副腎(ふくじん)って?

副腎とはその名の通り、左右の腎臓の上にちょこんと乗っている、小さくて薄い臓器。
といっても腎臓のおまけではなく、全く異なる器官に分類されます。
1つ約4~5g程度の小さな臓器ですが、人が生きるために必要なホルモンを分泌するとても大切な臓器です。
表面の「皮質」という部分と、内部の「髄質」という部分に分かれ、それぞれ異なる内分泌機能を有します。


それぞれの副腎には以下の2つの部分があります。

■髄質

髄質では、交感神経ホルモンであるカテコラミン(ドーパミンアドレナリンノルアドレナリン)がつくられます。
これらは、血圧、心拍数、発汗などを調節している大事なホルモンです。

■皮質

皮質では、アルドステロン、コルチゾール、アンドロゲン(性ホルモン)などがつくられます。
コルチゾールは血圧を正常に保ったり、糖利用の調節をする働きをしており、人間が生きるのに必要なホルモンです。
アルドステロンは塩分、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役割をします。


副腎疲労になる原因

ではなぜ、副腎疲労になってしまうのでしょうか?

もっとも大きな原因は、ストレスです。
副腎から分泌される「コルチゾール」は、ストレスに反応して増えるため、「ストレスホルモン」と呼ばれます。
私たちがストレスにさらされた時、副腎から「コルチゾール」が大量に分泌され、ストレスに対応しますが、
それが長期間にわたると副腎が疲弊してしまい、本当に必要な量のコルチゾールを分泌できなくなってしまいます。
これが、副腎疲労です。

副腎皮質から分泌される「コルチゾール」は、副腎ホルモンの中でも最も重要です。
「コルチゾール」はもともと、人類が飢餓というストレスの中で、空腹でも狩りをしなければならないような時に瞬発的に作用するホルモンでした。
血糖値を上げる、エネルギーを生みだす、血圧を高める、精神的・肉体的なストレスに対抗する、炎症・アレルギーを抑えるなど、
とても大切な働きをしており、生命維持に必要不可欠なホルモンです。
このコルチゾールが不足すると、上記で挙げたような様々な不調が現れ、更にこれらの症状が進行すると、日常生活を行うのが困難にさえなってしまいます。
現代人は慢性的なストレスにさらされているため、副腎がコルチゾールを出し続け、疲弊してしまう、というわけなのです。
つまり、副腎疲労は、現代社会が作り出した「現代病」と言えます。

ストレスとは、人間関係や仕事などの精神的なストレスばかりとは限りません。
暑さや寒さ、生活音や満員電車、便秘、食物アレルギーや花粉症、感染症、有害物質による汚染、時差なども含めて、副腎はストレスと受け取ります。

他にも、生活リズム乱れ食生活の乱れも、副腎に疲労をためる一因になると考えられています。
副腎に影響を及ぼすストレスは単一なものではなく、身体的、精神的、心理的環境などさまざまなストレスが絡み合い、総合的な副腎の負担がオーバーした時に、副腎疲労は発症します。

文頭で挙げたような症状を、単に「疲れているから」と軽視してはいけません。
「休めば治る」と言い聞かせて心身を酷使し続けると、副腎は限界を迎えます。
重症になると、朝、起き上がることが困難になり、会社を休職したり、寝たきりで家事ができなくなってしまうこともあります。
では、どのような対処法があるのでしょうか?


副腎ケア・副腎疲労から回復するために

■ストレス解消

ストレスは言わずもがなと言う感じですが、全てのストレスからできるだけ逃れて、とにかく身体を休ませることが大切です。
普段からストレスを解消できる方法を見つけておきましょう。

■睡眠をしっかりとる

睡眠を沢山取ると副腎の抗ストレスホルモン、コルチゾールの分泌が増加します。
また、コルチゾールは朝8時に最も多く分泌され、夕方になると分泌量は減少し、夜はほとんど分泌されません。
早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう。

<以下の食材を避ける>

×グルテン・カゼイン

副腎ケアのためには、体内の炎症を減らすことが大切です。
腸の粘膜の炎症を引き起こす原因となるグルテンカゼインの摂り過ぎは控えましょう。
グルテンは小麦や大麦、ライ麦などに含まれ、カゼインは乳製品に含まれます。
小麦粉を使った食材や乳製品をできるだけ減らすことで、副腎疲労を改善することができます。
グルテンには中毒性があり、突然バッサリ抜くことは困難だと思いますので、徐々に量を減らすことを考えてみましょう。

×カフェイン

カフェインには、副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す働きがあります。
とり過ぎは副腎を酷使し、副腎の負担になります。
できるだけカフェイン入りのコーヒーの飲み過ぎは避けましょう。

×血糖値を急上昇させる食べ物

血糖値が急上昇すると血中のインスリンが急激に増えます。すると血糖を安定させるため、副腎ではコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのホルモンが大量に消費され、副腎疲労を進行させてしまいます。
甘い菓子や甘い飲み物は血糖値をジェットコースターのように乱高下させるので極力控えましょう。

×添加物・化学合成物質

農薬使用や遺伝子組み換えのもの、保存料や着色料などの添加物、化学合成物質などを含む食べ物は、副腎に負担をかける恐れがあります。
ソーセージ、ハムなどの加工食品、ジャンクフード、スナック菓子なども控えたほうがいいでしょう。

<以下の食材を積極的に摂る>

○ビタミンCとビタミンB群、マグネシウム

副腎がホルモンを産生する際に大量に消費されるビタミンB群は、副腎疲労の人が不足しやすい栄養素です。
玄米、大豆、にんにく、納豆、種実類、緑黄色野菜、魚介類、海藻類などを多めにとりましょう。

また、ビタミン Cは副腎に多量に存在し、ストレスにより消費されます。
血液中を1とすると、脳は血液中の20倍、白血球は80倍、副腎にはなんと150倍の濃度のビタミンCが含まれています。
ビタミンCは副腎の抗ストレスホルモン(コルチゾール)の生産に不可欠で、ビタミンCの不足は副腎疲労を引き起こします。
小松菜、れんこん、ブロッコリー、ピーマン、じゃがいも、レモン、アセロラなどを多めにとりましょう。

そして同じく、マグネシウムはホルモン代謝の際に必要な酵素の働きを助けます。
玄米、大豆、大豆製品、ごま、アーモンド、わかめ、ひじき などをしっかりとりましょう。

○良質なたんぱく質と良質な脂質

それぞれホルモンや組織の材料となります。
肉なら鶏や豚、できれば牧草飼育の牛肉を選択しましょう。
魚なら食物連鎖で重金属を蓄積しやすいマグロなどの大型魚ではなく、サンマやアジ、イワシなどの青魚にしましょう。
特にオメガ3系脂肪酸(EPA、DHA、α-リノレン酸 が多い油)を積極的に摂るのがおすすめです。
青背の魚油(イワシ、サバなど)、亜麻仁油、エゴマ油などは、副腎はもちろんのこと全身の健康維持に役立ちます。

○香味野菜、ハーブ、スパイス

肝臓で解毒できなかった毒素は各臓器に広がって炎症を起こし、これが副腎の負担になります。
そのため、解毒作用があるといわれる香味野菜(にんにく、玉ねぎ、パセリなど)、薬味(ねぎ、しそ、生姜、しそなど)、香辛料(唐辛子、黒こしょうなど)を取り入れるのもおすすめです。

副腎に負担がかかるものは避けると同時に、良い食べ物を選んで摂るようにしましょう。


いつも100点満点でなければ…いつも笑顔でいなければ…と必要以上に人に気を使っていませんか?
責任感が強く、一人で何でも背負ってしまってはいませんか?
そんな人は周りから称賛されやすいですが、度を超すと自分自身の首を絞めてしまうことになりかねません。

副腎疲労の予防や回復のために大事なのは、まず、自分にとって何がストレスかを自覚することです。
多くのストレスを感じると副腎がフル稼働してコルチゾールを出し続け、副腎自体が疲れて機能が低下してしまいます。
副腎疲労でホルモンの分泌がうまくいかなくなると、ストレスに対抗できなくなり、疲労感、やる気の低下、更には日常生活すら困難になってしまう場合があります。

副腎を疲れさせないように、まずは上記のことを取り組んでみましょう。
食生活を改善したり、ゆっくり睡眠を取ったりという基本的な改善に加え、時には好きなスポーツや趣味、友人とのおしゃべり、入浴など、リラックスできる時間を持てると良いですね。
そして、100点満点を頑張るのではなく「今日は60点でいいや!」と思うことを頑張ってみましょう。
限界を迎える前に、リラックスする気持ちと時間を持つことががとても大切です。

副腎が元気を取り戻せば、ストレスから体を守るホルモンもしっかり働いて、パフォーマンスを高めることにつながります。
副腎の疲れは、必ず治すことができます。
元気に健康に生きるための要となる副腎を元気にして、ストレスに負けない体をつくっていきましょう!!