リンパって何?実は美容と健康にとても大切なものなのです!!

美容に関心の高い方なら一度は耳にしたことがあるだろう「リンパ」。
さて、リンパとはどのようなものかご存知ですか?
「リンパ」と言う言葉はなんとなく知っていても、「リンパ」の意味を正しく理解している人はとても少ないようです。
そこで今回は、今回は意外と知らないリンパの仕組みや役割について解説していきます。
リンパについて理解を深め、美容や健康に役立てましょう!


リンパって何?

リンパとは、リンパ管を流れるリンパ液のことです。

血液は心臓のポンプの働きにより、動脈→各組織→静脈→心臓と循環します。
対し、リンパは筋肉の収縮などにより、リンパ管→リンパ節→静脈へと一方向に流れます。

私たちの身体にある細い細い毛細血管の壁には小さな小さな穴が開いていて、一日に約20Lの水分が漏れています。
血液の赤い色の元である赤血球は大きすぎて血管の壁を通り抜けられないため、漏れ出た水分は赤ではなく、薄い黄色をしています。
この水分が、体内すみずみの細胞に酸素と栄養素を届けています。
そしてこの漏れ出た血液の80~90%は再び毛細血管に吸収されますが、
10~20%は不要になった老廃物や蛋白成分・ウイルスなど異物を回収しながらリンパ管という小さな管に入ります。
このリンパ管の中を流れる液をリンパ(リンパ液)と言います。

リンパ管に入ったリンパ液は、歩行や運動による筋肉の収縮・弛緩により運ばれて、リンパ節に入ります。
リンパ管は必ずどこかのリンパ節に繋がっていて、体に不要な老廃物や病原体は濾過されて、きれいなリンパとなります。

そうしていくつかのリンパ節を経由してリンパ液は胸管と右リンパ本幹という2本の管に集まり、最後は静脈に戻ります。

このリンパ液の流れを、リンパ系、またはリンパ循環と言います。

血管もリンパ管も全身に張りめぐらされていますが、
血液が心臓を中心に輪をかくように身体の中を循環しているのに対し、
リンパ液は輪になっておらず、身体の末端から身体の中心に向かって、一方通行で流れています。
全身の末梢(体の隅々)で毛細リンパ管として始まりますが、その起点は閉じられており、どの組織ともつながっていません。
リンパ管の内側には逆流させないための弁がついていて、まわりの筋肉が動くたびにリンパ液が身体の中心に向かっておし出され、心臓の手前にある太い静脈〈血管〉に合流しています。
その圧力は弱く、血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりで、流れる速さも一定ではありません。

体を巡回する一日のリンパ液は 2~4リットル、血液は 7トン(体重60Kgの場合)と言われています。


「リンパ節」をもっと詳しく!

リンパ管は静脈に注ぐまでの間に何度も合流を繰り返しますが、合流する部分に2㎜~3㎝程の大小様々なそら豆のような形をした「リンパ節」と呼ばれる場所があります。
リンパ節は現段階ではからだに600~800個ほどあるとされています。
主なリンパ節群は、頸部・腋窩部・腹部・骨盤部・鼠径部 に集中しており、
耳の下(耳下腺リンパ節)、耳の後ろ(耳介後リンパ節)、顎の下(顎下リンパ節)、膝の裏(膝窩リンパ節)や肘の裏(肘窩リンパ節)にもあります。
風邪を引いたときにリンパ節が腫れるのは、侵入した菌やウイルスを攻撃するためにリンパ節の働きが活発になっているからです。

リンパ節は身体に害になるものを取り除く濾過器(フィルター)のような役割をしています。
リンパ節で、リンパ液から老廃物や損傷した細胞、がん細胞、異物がこし取られ、
リンパ節から出たリンパ管はさらに合流を繰り返し、静脈に注ぐまでの間に数千にも及ぶリンパ節を通過していきます。

リンパ節には白血球が集まっていて、それらの白血球は他の白血球や抗原と反応し、異物に対して免疫反応を引き起こします。
リンパ節にいるマクロファージなどが老廃物や異物を食べ、リンパ球(白血球の一種)が病原体の抗体をつくって小さな細菌やウイルスを攻撃します。
このように、リンパ節は体を守ってくれる非常に大切な働きをしているのです。


リンパの流れが悪くなる原因

前述の通り、リンパは周辺の筋肉の収縮により、ゆっくりと流れています。
血管には心臓というポンプのような役割を果たすものがあるため流れが滞ることはありませんが、
リンパにはポンプ役が存在しないため、些細なことが原因で流れが滞ってしまいます。

リンパの流れが悪くなってしまう原因は、いくつか考えられます。

★運動不足

リンパが滞る原因として代表的なものとしては、運動不足です。
リンパ液はリンパ管を取り巻く筋肉が収縮する動きによって流れています。
運動不足によって筋肉の動きが少なくなると、リンパを流すために必要な筋肉の動きも悪くなり、流れが滞ります。

★水分不足

リンパの90%を占める部分が水分で出来ているので、水分が足りなくなるとリンパの流れも悪くなります。
同時に、水分が不足してしまうと、体内の血液をドロドロにしてしまう可能性があります。

★ストレス

ストレス社会や生活習慣が影響して、現代人はリンパが詰まりやすいといわれています。
自律神経は血液の流れや筋肉の動きを調整する役割を担っているものであり、自律神経の働きが悪くなってしまうと、それに伴って血液やリンパの流れも悪くなってしまいます。
自律神経の働きを悪くさせない為にも、ストレスは定期的に発散するようにしましょう。

★冷え

冷えると血管が縮み血液の流れが悪くなるのはご存じだと思いますが、同時にリンパの流れも悪くなってしまいます。
そしてリンパの流れが滞り、更に冷え性になるという悪循環に陥ります。

 

その他、骨盤の歪み、汗をかかない、トイレの回数が少ない、塩分の取りすぎ、肥満、加齢などさまざまな原因がリンパに影響してきます。


リンパの流れが滞るとどうなる?

上記の原因によりリンパの流れが悪くなると、以下のような症状が現れます。

■むくみ

リンパの流れが悪くなると、老廃物や余分な水分が皮膚の下に溜まってしまい、むくみが生じます。
特に足のむくみが気になる方は多いでしょう。

■肩こり、首のこり

こりは筋肉の硬さですが、筋肉が硬くなるとリンパの流れも悪くなり、そしてリンパの流れが悪いと疲労物質が溜まって、また筋肉が硬くなる…という悪循環に陥ります。

■肌トラブル

体内に老廃物などの毒素まで溜まってしまうと、肌トラブルが発生しやすくなります。

■免疫力の低下

リンパが滞ると体内の老廃物や余分な水分が排出されなくなり、免疫機能も低下します。
すると風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、治りも遅くなります。
「風邪をひきやすい」「頭痛もち」「生理痛がつらい」など、体質として諦めていた症状の数々が、リンパの流れの悪さで引き起こされている方も少なくありません。

■冷え

リンパの流れが悪くなり、むくみやこりが溜まると、血流の悪化も引き起こされます。
そのため末端に十分な血液が行き届かず、冷えを感じることが増えます。

■ 下半身太り、痩せにくくなる

リンパの流れが悪くなると、下半身だけが太ったり、とあるパーツが大きくなったり、ある体重から痩せにくくなってしまいます。

■疲れやすくなる

疲労物質が身体に溜まるため、疲れを感じやすくなります。


リンパの流れを良くするには?

では、リンパの流れをよくするにはどうしたら良いでしょうか。

■適度な運動

リンパ液の循環は筋肉の収縮運動によって行われるので、運動で筋肉を動かし収縮させることで、リンパ液の循環もスムーズになっていきます。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動や筋力トレーニング、ヨガなどの適度な運動を習慣にしましょう。
簡単な方法では筋肉の収縮をするストレッチがオススメです。
適度な運動はストレスの解消にも効果が期待できますよ。

■マッサージ

リンパケアと言えば、代表的なのは「リンパマッサージ」でしょう。
外部から刺激しリンパの流れに沿ってマッサージをすることで、リンパの流れをよくすることができます。
手のひらをぴったりと密着させ、手のひらの圧をかけ続けながら、リンパを押し流すようにゆっくりと動かしましょう。
リンパは心臓に向かって流れているので、体の中心にむかって手のひらでさするように行います。
リンパ節はリンパがたまりやすい場所でもあるので、軽くもんだり、さするのも効果的です。
強い力で行うと逆効果になってしまう場合もあるので、優しい力で行いましょう。
肌の摩擦を少なくするためにもボディークリームやオイルなどを活用しましょう。
タイミングは就寝前や入浴時がオススメです。

■水分を摂る

上記でも書いたように、水分不足はリンパの滞りにつながります。
適度な水分補給をこまめに行いましょう。
水分補給はジュースなどではなく、水やお茶などがおすすめです。
特に温かい白湯は、体を温めることでさらにリンパの流れが良くなります。
アルコールやカフェインには利尿作用があるため、飲みすぎてしまうと体内の水分が不足しリンパの滞りにつながる恐れがあります。飲みすぎには注意しましょう。

■入浴

入浴はリンパの流れを良くするのにとても有効です。
体が温まることで、血液やリンパの流れが良くなります。
お風呂はシャワーで済まさず、38~40度くらいのお湯にゆっくりと浸かりましょう。


リンパを流すことは、体にとってとても大切です。
リンパの流れを良くすれば、飛躍的に健康状態が良くなるのを実感できるでしょう。
また、美容、アンチエイジングに繋がるものも多いので、是非できることから生活に取り入れてみて下さい。