血流は肌と全身を健康へと導く“鍵”!血流を良くする方法とは?!

昨今、美肌への鍵として「血流」に注目が集まっています。
というのも、血流の状態が恒常的にいい人の肌は、年齢、性別、人種、さらには生活環境に関わらず、
血色が良く、透明感があり、概ね良好であるからです。

血液は、食事などから摂取した栄養や、呼吸で得た酸素を、全身の隅々にまで送り届けています。
栄養と酸素は、貯蓄しておくことはできません。
絶えず血液に乗って供給され、組織から出た老廃物を血液に乗せて排出する、というのを繰り返しています。

肌において、毛細血管は表皮すぐそばの真皮層に張り巡らされています。
皮膚にはターンオーバーと呼ばれる新旧交代がありますが(詳しくは前回の記事をご覧ください。)
それも血流がもたらす栄養と酸素をエネルギーにして行われています。
血流は、肌を、そして全身を健康へと導く“鍵”となっているのです。

 


血流が悪くなるとどうなる?

血流が悪くなると、当然ですが体に栄養素や酸素が行き届くにくくなります。
肌に注目していうならば、血流が悪くなると肌の細胞に栄養素や酸素が届けられなくなります。

真皮にはたくさんの毛細血管があり、毛細血管を流れる血液が酸素や栄養素などの必要な物質を細胞へ送っています。
反対に、細胞からは二酸化炭素や老廃物などを血液に戻します。
しかし、肌が必要とする栄養素を運ぶ役割の動脈と、新陳代謝のために出た老廃物を運ぶ役割の静脈やリンパ管の流れが滞ると、
肌細胞にとって必要な酸素や栄養が不足しがちになってしまい、肌のターンオーバーが遅れがちになってしまいます
そうなると、角質が厚くなっていき、透明感が失われ、肌のくすみを招いてしまいます。 
また、ターンオーバーが遅れるとくすみだけではなく、シミシワや、吹き出物ができたり、肌が乾燥したりなど、あらゆる肌トラブルを引き起こしてしまうのです。

また、血行不良によって血流が減り、肌の赤味が減少すると、肌の黒ずみや黄色みが目立つようになります。
特に、目の下など皮膚の遅いところなどは影響を受けやすいため、それがクマになってしまうのです。



血流が悪くなる原因

◼︎加齢

血流が悪くなる一番の原因は、加齢です。
血管は加齢に伴い、血管の壁が硬くてもろい状態になり、血液の流れも悪くなってしまいます。

◼︎喫煙

喫煙習慣のある方も要注意。
タバコに含まれるニコチンには、血管収縮作用があるため血行不良の代表的な原因です。

◼︎運動不足

慢性的な運動不足は、血行不良を招きます。
体の筋肉は、血の巡りを後押しするポンプのような役目を果たしています。
運動不足で筋力が低下していると血液を送り出す力が不足してしまうため、血行不良に陥ってしまうのです。
運動しない期間が長くなると血管が萎縮し、さらに血流が悪化します。
とくに、デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることも、筋肉が硬くなり血行不良の原因になります。

◼︎ストレス過多

私たちの体はストレスを感じると、交感神経が優位になります。
交感神経とは自律神経の一つで、簡単に言うと「体の緊張を高める」神経です。
ストレスによってこの神経が優位になると、血管が収縮するため血流が悪くなります。
また、筋肉の緊張も高まりますので、それによっても血流が悪くなります。

◼︎偏った食生活

脂質や糖質ばかりを摂取する食生活が続くと、血液がドロドロになってしまい、血流が悪くなります。
肉料理中心や糖分・油分の多い食生活を送っている方は、注意が必要です。

◼︎水分不足

水分が不足すると血液の濃度や粘度が高まって血液がドロドロになり、血行が悪くなります。

◼︎体の冷え

体が冷えると血管が体温維持のために収縮し、手足への血流を減少させて血液を体の中心に集めようとします。

◼︎きつい靴・衣服による締め付け

ハイヒールやきつい靴や締め付けの強い下着、タイトな衣類を着用すると、血流が滞りやすくなります。


血流を促進する方法

肌の血流だけを改善させる、ということはできないため、やはり生活習慣全体の見直しが必要になります。

ここでは、血流を改善する生活習慣のポイントを6つお伝えします。

◼︎食生活

糖質や脂質の多い食生活をしていると、血液はドロドロになります。
血液をサラサラにするには、糖質と脂質を抑えた食習慣に変えましょう

肉から魚に切り替えるのも一つの手です。
牛や豚の肉類のとりすぎは悪玉コレステロールを増やしますが、同じ動物性脂肪でも青魚に含まれるEPA、DHAは悪玉コレス テロールや中性脂肪を減らす働きがあり、
しなやかな血管を作り血栓の原因を抑制してサラサラ血液へと導く効果があります。
そして、野菜と果物をたくさん食べるのも良いでしょう。
野菜や果物をたくさん食べることは、糖分や脂肪分の多い食品の摂取を減らすとともに、バランスの悪い食事を正常に近づけることにつながります。

また、暴飲暴食を重ねると、これも余分な糖質や脂質を摂り過ぎてしまうことになります。
腹八分目を目指しましょう。

◼︎水分補給

十分に水分を含んだ血液は、酸素や栄養を体の隅々にまで運びます。
暑さ・寒さを問わず、こまめに水分補給するようにしましょう。
ポイントは、お茶やコーヒーではなく、常温の「水」を摂ることです。カフェインや糖質が含まれているものは、むしろ血液をドロドロにする場合があるので、注意しましょう。

◼︎入浴

体を温めることは血行促進につながるので、湯船につかる習慣をつけましょう。
38~40度くらいのややぬるめのお湯に、10〜15分ほど肩までしっかりと浸かるのがお勧めです。
ゆったりと入浴することで末梢血管が拡がり血流の改善が期待できる上、心身のリラックス効果も期待できます。
入浴中は汗をたくさんかきやすいため、水分補給も忘れずに。

◼︎運動

適度な運動は心拍数を高め、血流を良くします。
運動の中でも特に有酸素運動が血行促進に良いとされており、ウォーキングやジョギングなどがおすすめです。
また、ふくらはぎの筋肉は”第二の心臓”と呼ばれており、全身に血液を送るためにポンプのような役割を果たしています。
階段を使うとふくらはぎの筋肉を鍛えられるので、できるだけエスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使うのも良いでしょう。

◼︎禁煙

喫煙は強力に血管を収縮させ、血液の粘度を高めてしまうため、血流が悪くなります。
血液中の酸素も少なくなり、全身に届ける酸素も少なくなります。
血流を良くするためには、禁煙することをおすすめします。

◼︎きつい靴、締め付ける服を着用しない

きついジーンズやストッキング、靴下など、体を締め付けるものは血流を妨げる原因になります。
できるだけ体を締め付けない衣類を選びましょう。

また、足の裏も血液を循環させるポンプのような役割を果たしています。
ハイヒールなどのかかとの高い靴や締め付けの強い靴は足の血流を妨げるので、
できるだけ足を締め付けず、一日を通して楽に動ける靴を探してみましょう。


まとめ

血流が悪くなる一番の原因は、加齢です。
これは誰にも抗うことはできません。
しかし、日々の生活習慣の見直しによって、血流をより良い状態に保つことは可能です。

血流が悪くなってしまう原因は一つではありません。
また、血流を良くする方法も一つではありません。
いろいろなことに取り掛かろうと思うと面倒に感じるかもしれませんが、日頃から血管、血液に良い生活を、少しづつ“意識していく”ほかありません。

血流をよくすることを意識すると、血液にのって全身、肌の毛細血管にまで栄養と酸素が行き届き、体も肌も健康的になっていきます。
血流で、内側から根本的な健康と美肌を両方手に入れましょう!!!