ビフィズス菌は腸活の主役?!その理由とビフィズス菌を増やす方法!

あなたのビフィズス菌、足りていますか?
「ヨーグルトを食べてるから大丈夫!」と思ったそこのあなた!
そのヨーグルト、本当にビフィズス菌が入っていますか?
また、ビフィズス菌が体に良いことは知っていても、一体どういう菌で、どんな活動をしているのか、その実態をご存知でしょうか?

昨今からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、私達の生活は激変しました。
マスクを付け、手指をアルコール消毒し、密を避ける日々。
ですが、免疫力を上げるための“腸活”を疎かにしてはいないでしょうか。
コロナに限らず風邪やインフルエンザなど様々な病原体の感染予防には、自身の免疫力を高めることが何より大切です。
腸は人体最大の免疫器官であり、免疫細胞の60%以上は腸に存在しています。
ビフィズス菌は、善玉菌の中でも代表といえる菌であり、腸内環境を整える力が非常に強いと言われています。
免疫力を高め、ひいては感染防御、アレルギー症状の改善(花粉症など)など様々な効果に通じます。
つまりはビフィズス菌を増やすことが腸活の要となり、健康維持の鍵となります。

今回は、ビフィズス菌の疑問を一気にお伝えします!
是非この機会にビフィズス菌の重要性を知り、快腸で快調な毎日を目指しましょう!


ビフィズス菌とは?

●ビフィズス菌の歴史

ビフィズス菌は1899年、健康な母乳栄養児の便から発見されました。
顕微鏡で見るとV字やY字のように先端が枝分かれした形をしていることから、
ラテン語で「二又の」を意味するbifidus(ビフィズス)と命名されました。
これまで、人間や動物の腸内から、30種以上のビフィズス菌が見つかっています。
そのうちの10種類程度が、人の腸内から検出されています。

●ビフィズス菌の性質とその働き

ビフィズス菌は、人間の腸内に1~10兆個存在するといわれていて、大腸に最も多くすんでいる「善玉菌の代表格」です。
ビフィズス菌の大きな特徴として、偏性嫌気性桿菌という、酸素を嫌う菌であることが挙げられます。
一定割合以上の酸素が存在すれば発育できません。

また、ビフィズス菌は、糖を分解して、乳酸酢酸を産生します。
これにより、腸内pHを酸性にし、悪玉菌の増殖を抑えます。

●ビフィズス菌と乳酸菌は似て非なるもの!

腸内環境を整える「善玉菌」の代表として、よく知られているのは乳酸菌ビフィズス菌
「この二つはおなじもの」「ビフィズス菌は乳酸菌の一種」とは思っていませんか?
実はこの二つ、異なる微生物であり、住んでいる場所も働き方も異なります。

乳酸菌はその名の通り「乳酸」を作る菌ですが、ビフィズス菌は「乳酸」と「酢酸」も作ります。
この酢酸には強力な殺菌作用・抗炎症作用・腸管バリア保護機能があり、お腹の健康を守ってくれています。

そして、2つの細菌が棲息する場所も違います。
ビフィズス菌は酸素があると生きられないため、酸素がほとんど届かない「大腸」に棲息しているのに対して、酸素があっても生きられる乳酸菌は主に「小腸」に棲息しています。

ある程度、酸素があっても生きていける乳酸菌は、腸内だけでなく発酵食品や乳製品、自然界などにも生息しています。
ヨーグルトのほか、チーズやみそ、キムチ、漬物など、様々な発酵食品に乳酸菌が使われているのは、このためです。
一方、ビフィズス菌は酸素があると、生きて活動することができません。
このため人間の消化器のなかでビフィズス菌が住めるのは、酸素がほとんど届かない大腸の最後部、S状結腸から直腸にかけて群生する腸内フローラの中になります。

大腸内での比率は、ビフィズス菌999に対し、乳酸菌はわずか1しかありません。
そのため、腸内のビフィズス菌数の変化は、乳酸菌よりも人の体への影響が大きいと考えられています。

●年齢と共にビフィズス菌は減ってしまう?!

ビフィズス菌は、生まれて間もないときからヒトの腸内に存在し、健康な赤ちゃんの腸内フローラの大半を占めています。
しかし赤ちゃん期の95%以上をピークに、年齢を重ねるにつれどんどん減少していき、成人では10〜20%、老年期では1%未満まで減ってしまいます。
そして代わりに、健康に悪影響を及ぼすさまざまな悪玉菌が増えてしまいます。
そのため、悪玉菌を抑え、腸内フローラを良好にするためにも、ビフィズス菌をいかに大腸に多く保ち続けるかが大切です。
長寿の人はビフィズス菌が多いという研究結果もありますよ!


ビフィズス菌のメリット

●腸内環境を整える効果

ビフィズス菌は人の腸管内に生息し、体に良い様々な働きをしています。
まず第一に挙げられるのは整腸作用(腸内環境改善作用)です。
先程述べた通り、ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸をつくり出します。
酢酸は強い殺菌力があるとされており、悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を整えさまざまな生理機能を発揮します。
また、酢酸が腸を刺激することで腸のぜん動運動が活発になるため、便秘を予防する働きもあります。
他にも、酢酸には腸の粘膜を保護する作用、便中の腐敗産物を減少させる作用もあります。

酢酸はお酢として飲むこともできますが、お酢は消化の途中で吸収されて大腸まで届かないため、大腸での働きを期待するのであれば、大腸で酢酸を生成するビフィズス菌を増やすことが重要です。

●免疫力を高める効果

さらに重要な作用として、ビフィズス菌には免疫力を高める効果があると言われています。
腸内で悪玉菌がつくり出す毒素は、腸壁から吸収され全身をめぐります。
それが、生活習慣病やその他様々な病気の原因となります。
ビフィズス菌は悪玉菌の増殖を抑えることで、免疫力を高めることができます。

●アレルギー症状を緩和する効果

ビフィズス菌は免疫力を高めることで、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを抑える効果があると言われています。
アレルギーとは、体の免疫機能のバランスが崩れてしまうことで、体が特定の物質に過剰に反応してしまっている状態をいいます。
アレルギーを持つ人の腸内細菌を調べると、善玉菌の数が健康な人よりも少ないことが明らかとなっています。
このことから、ビフィズス菌には免疫のバランスを調整する機能があり、それにより免疫の暴走が抑えられ、アレルギーが緩和されるのだと考えられます。

●貧血を予防する効果

ビフィズス菌には、ビタミンB群やビタミンKを合成する働きもあるため、貧血予防や肌荒れ防止、出血性疾患予防に効果的であると言われています。
貧血は、鉄の不足はもちろんですが、ビタミンB12が不足することによっても起こります。
ビフィズス菌は、腸内でビタミンB群を合成し、その一部が体に吸収され、利用されることから、貧血にも効果的だと考えられています。

●美肌効果

先程も述べた通り、ビフィズス菌には、ビタミンKを合成する作用があります。
ビタミンKは血液凝固に関わるビタミンですが、血行を良くする効果があり、赤ら顔の原因となる毛細血管の赤みを軽減させたり、血行不良による目の下のクマを改善してくれる働きがあります。
また、便秘になると、肌が荒れるということは一般的に知られていますが、それは腸内で増殖した悪玉菌が出す毒素が影響しています。
毒素は腸壁から吸収されることで、栄養とみなされ、肌へ運ばれます。
これによって、肌荒れが起こります。
ビフィズス菌は、悪玉菌の増殖を抑える働きがあるため、美肌づくりにも効果的な成分です。

●コレステロール値を下げる効果

ビフィズス菌は、コレステロール値を下げる効果があるといわれています。
ビフィズス菌にはコレステロール生成プロセスを邪魔する働きがあり、コレステロール値を下げることで、動脈硬化を予防し、心筋梗塞などの疾病を予防する効果があるといわれています。

●ダイエット効果

ビフィズス菌は“痩せ菌”とも言われており、ビフィズス菌が増加すると体脂肪が減少するといった研究結果も出ています。
これはビフィズス菌を摂取することで悪玉菌が減少し、腸内環境が整って便秘が改善するためだと言われています。
更に近年、太っている人と痩せている人では腸内細菌のバランスが大きく異なると言われており、ビフィズス菌を摂取することで肥満が改善されることも認められています。


必見!ビフィズス菌の増やし方

ここでは、ビフィズス菌を増やすための3つの方法をお伝えします。

1.外から生きたビフィズス菌を補給する

一つ目は、食品に含まれるビフィズス菌を外から摂取する方法です。
ここで注意すべき点は、一般的な発酵食品には基本的にビフィズス菌が入っていないということです。
ビフィズス菌は酸素に弱く、空気に触れると生きていけないためです。
「ヨーグルトを食べればビフィズス菌が摂れる」と思っている方も多いかもしれませんが、実はヨーグルトには、ビフィズス菌が入っているものと入っていないものがあります
「乳酸菌」はヨーグルトを作るのに必要な菌なので全てのヨーグルトに入っていますが、「ビフィズス菌」は限られたヨーグルトにしか入っていません。
ビフィズス菌を摂るためには、ビフィズス菌が添加されているヨーグルトを摂る必要があります。
今、市販で売られているビフィズス菌入りの主なものは、サプリメント、ヨーグルト、青汁などが目立ちます。
そこでぜひチェックしてほしいのが、生きて大腸まで届けられるか。
死んだ菌でも効果はあるとする研究もありますが、生きた菌はもちろん重要です。
生きたまま届けられる工夫をしている商品は、パッケージにそううたっているはずですので、チェックしてみてくださいね。

2.ビフィズス菌と相性が良い食品を摂る

二つ目は、ビフィズス菌と相性が良い食品を摂ることです。
それは「食物繊維」と「オリゴ糖」。
これらにはビフィズス菌の生成を助ける栄養素が含まれているんです。

食物繊維が多く含まれているのは、
穀類  :ライ麦粉、オートミールなど
野菜類 :切り干し大根など
きのこ類:乾燥きくらげ、干ししいたけなど
果物類 :干し柿、ドライいちじく、ドライプルーンなど
豆類  :乾燥いんげん豆、乾燥ささげなど
種実類 :炒りごまなど
藻類  :乾燥ひじき、乾燥わかめ、昆布など

意識せず食物繊維をとるなら、ずばり「味噌汁」がおすすめです。

そしてオリゴ糖は、大豆やゴボウ、アスパラガス、タマネギ、トウモロコシ、にんにく、バナナなど。
また甘味料としても液体のものが売られているので、お砂糖がわりに使うのも手。

3.悪玉菌を増やさない

ビフィズス菌や食物繊維、オリゴ糖をしっかりとっても、ビフィズス菌を減らすような食べ物をたくさん食べたり、生活習慣を送ったりしていてはもったいないですよね。
ビフィズス菌は加齢でも減ってしまうとお伝えしましたが、悪玉菌が増えることでもビフィズス菌を減らしてしまうことがわかっています。
悪玉菌が増える原因は、加齢・高たんぱく高脂質な食事・不規則な生活・便秘・ストレスなどがあります。

・肉を中心としたタンパク質や脂質の多い欧米型の食生活を続けていると、体に吸収されなかったタンパク質が悪玉菌によって有害物質に変えられてしまいます。
肉より魚料理を増やし、野菜や豆類・果物を食卓に取り入れるのがポイントです。

・運動不足でも、善玉菌が減ってしまうことがわかっています。
適度な運動習慣を取り入れるようにしましょう。
例えば、エスカレーターではなく階段を使うことや、一駅手前で電車を降りて長く歩いてみるなど、少しでもカラダを動かすことで腸の活性化につながります。

・十分な睡眠 十分な睡眠をとり朝食を食べることも大切です。規則正しい生活で腸内のリズムが整い、便秘を防ぐことができるため悪玉菌の増殖を防ぐことにつながります。

・ストレスが多い生活を送っていると、腸の働きをコントロールしている自律神経に影響が及び、悪玉菌が増加します。
消化機能を促す「副交感神経」を優位にするために、普段から十分な休息を取ることを意識してみてください。

現在腸内環境が乱れている人でも、上記のことを心掛ければビフィズス菌が増え良好な腸内バランスになることが判明しています。
ビフィズス菌は毎日排出されてしまうものなので、毎日の食事や生活習慣で、善玉菌・ビフィズス菌が優勢なバランスのとれた腸内フローラを目指しましょう。


いかがでしたか?
腸内環境を整える善玉菌の主役は「ビフィズス菌」であることを、お分かりいただけたでしょうか?
赤ちゃんの頃には腸内にいっぱいいたビフィズス菌も、加齢、ストレス、肉などの高たんぱく、高脂質なものが中心の食生活などによって日々減少しています。
そのため、日々ビフィズス菌を補給し善玉菌を増やすことや、悪玉菌を増やさないことが大切です。
ビフィズス菌は、一回摂取すれば永久に腸内ですみつづけるというものではありません。
継続して摂取し、習慣化する必要があります。
ぜひ、今回ご紹介した食品や悪玉菌を増やさない生活習慣を取り入れて、快腸で快調な毎日を目指しましょう!