腎臓はデトックス要?!腎臓に良いことを始めましょう!

前回の記事では、デトックスの要である「肝臓」について説明しました。
今回はもう一つ、同じくデトックスの要である臓器「腎臓」について説明します。


腎臓ってどんな臓器?

腎臓は、そらまめのような形をした握りこぶしくらいの大きさの臓器で、腰のあたりに左右対称に2個あります。
主な役割は、血液中にたまった老廃物を身体の外に排出することで、からだの「ろ過装置」に例えられています。

腎臓の役割

■尿を作って老廃物を体から排出する

腎臓はわずか150g程の大きさですが、心臓から送り出される血液の約4分の1もの量が流れこみます。
そこで血液を濾過し、老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出してくれます。
また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをしています。
腎臓は、血液をきれいな状態に保つために欠かせない臓器なのです。
腎臓の働きが低下すると、尿が出なくなり、老廃物などが体に蓄積し、さまざまな病気の原因になる可能性があります。

■血圧を調節する

腎臓は、塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を調整しています。
血圧が高いときは、塩分と水分の排出量を増加させることで血圧を下げ、血圧が低いときは、塩分と水分の排出量を減少させることで血圧を上げます。
また、腎臓は血圧を上げる働きがあるホルモン(レニン)も分泌しており、血液中の水分量やカリウムなどの変化に応じてレニンの分泌を調整しながら、血圧のコントロールを行なっています。

腎臓と血圧は密接に関係し、腎臓の働きの低下によって高血圧になることもあります。

■血液をつくる

腎臓は、血液(赤血球)を作るホルモンを分泌しています。
腎臓の働きが悪くなると、このホルモンが出てこなくなってしまうため、血液が十分につくられず貧血になることがあります。

■体液量・イオンバランスを調節する

腎臓は、尿量を調節して体内の水分バランスを整えたり電解質(ナトリウム・カリウム等)の量を調整して濃度を一定に保つ働きもあります。
腎臓が悪くなると体液量の調節がうまくいかないため、体のむくみにつながります。
また、イオンバランスがくずれると、血液中のカリウム値が上昇して細胞内にカリウムがたまり、不整脈を生じることがあります。

■ビタミンDを産生する

腎臓は、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくっています。
腎臓の働きが悪くなると活性型ビタミンDが低下し、腸からカルシウムがうまく吸収されなくなり、骨が弱くなっていきます。


腎臓に良いこと

では、“腎臓に良いこと”とはどのようなものがあるのでしょうか。
実は「腎臓のためにこれを食べて!」というような食べ物が特にあるわけではなく、大切なのは食べ方生活習慣です。
塩分を控え、水分を摂り、適度な運動を習慣化して、日頃から腎臓をいたわった生活を心がけることが大切です。
特に心がけたいポイントを6つ紹介します。

■塩分の摂り過ぎに注意する

塩分の摂取量が多くなると、血圧が高くなり腎臓の負担が大きくなります。
また、腎臓は血液中の塩分を尿として排泄するという働きをしてるため、塩分を摂り過ぎると、過剰排泄となり、腎臓に大きな負担がかかります。
国が定める、健康な人の1日あたりの食塩摂取目安量は男性7.5g、女性6.5g。
血圧が高い人や腎機能が低下している人は、食塩は1日6g(小さじ1杯)までとされています。
香辛料や酢など、酸味や香りを上手に使い、塩分の摂り過ぎに注意しましょう

■水分を摂る

老廃物や毒素を体内に溜めこまないためには、便や尿の排泄が重要になります。
尿を作り出すために、水分を十分にとりましょう
身体が必要とする水分は、気温や活動状況によっても異なりますが、一日で2〜2.5リットルとされています。
水分補給をこまめに行い、トイレは我慢をしないようにしましょう。

■バランスの良い食事をとる

食事は、主食・主菜・副菜をそろえることで、栄養のバランスが取りやすくなります。
特に野菜に多く含まれるカリウムには、体外への塩分排出を助け、血圧を下げる働きもあると言われているので、野菜をたくさん摂るようにしましょう。
(ただし、腎機能が低下している場合、高カリウム血症を引き起こすことがありますのでご注意ください。)
たんぱく質は3大栄養素の1つであるため、良質のたんぱく質については適度に摂取する必要がありますが、摂りすぎは腎臓に負担をかける原因となります。
特に腎臓の働きが低下している人は、タンパク質の制限が必要です。
タンパク質の一日の推奨量は18~64歳の男性で65g、65歳以上の男性で60g、18歳以上の女性で50gとなっています。

■アルコールを飲み過ぎない

過度の飲酒は血圧上昇を招きます。
飲酒量の適量を知り、飲み過ぎないことが大切です。

■適度な運動

ウォーキングなどの適度な運動は、血圧を下げたり肥満を改善したりする効果があるため、腎臓の健康維持に有効です。
ウォーキングやサイクリング、軽いジョギングなどの有酸素運動や、スクワットなどのレジスタンス運動など、続けやすいものを選んでぜひ習慣化していきましょう。

■ストレスを避ける

ストレスや疲労は血圧を上昇させ、腎臓にも負担がかかってしまいます。
しっかり休養をとって、リラックスして過ごすことを心がけましょう。


今回は腎臓を経由したデトックスについて解説しました。
腎臓も肝臓も、毒素や老廃物を体外に出して代謝をよくする役目を果たしています。
どうしても食事や環境で体内に毒素が溜まってしまう現代人にとって、デトックスは必須の健康習慣。
日頃の食事や生活習慣など、デトックスは割と簡単にすぐに始められます。
排出しやすい体を手に入れて、心身ともに美しく健康を目指しましょう!!