冬の味覚と言えば?冬に美味しい食べ物

以前、「秋の味覚」について書かせていただきましたが、
あっという間に月日は流れて明日で12月。
寒い冬がやってきました。
皆さんは“冬の味覚”と聞いて何を思い描きますか?
近年では栽培方法の多様化により、昔に比べて季節関係なくいろいろな食材がスーパーで並ぶようになり、
何が旬なのかわかりにくくなりましたね。
旬を迎えたほとんどの食材は、収穫量が増えるため価格がグンとお手頃になります。
つまり、通常より価格の下がったものこそが、旬である可能性が高いということ。
しかも旬の食材は、味わい・栄養価ともにアップ!
寒い季節に収穫される旬の野菜・果物などの作物は、冬を乗り越えるための栄養素がたっぷりと含まれています。
安くて、美味しくて、栄養価抜群!と嬉しいこと尽くしの旬の食べ物。
今回は、この時期だからこそ楽しめる、
冬が旬の食材についてご紹介していきます!

冬に旬を迎える冬野菜

冬に旬を迎える野菜は多く、1年中出回っているホウレンソウや小松菜も実は冬野菜。
1年中手に入る野菜でも、旬の時期に収穫された野菜のほうが風味は良く、栄養素も多く含まれています。
冬から早春に掛けて収穫される冬野菜は、低温の中でじっくり太陽の光を浴び、寒い気候に耐えて甘味やうま味を蓄えます。
そんな、冬が旬の野菜とは?

■ホウレンソウ

ほうれん草は1年を通してスーパーに並んでいますが、冬が旬とされ、寒さに強いのが特長です。
野菜に含まれている水分が多いと寒さで凍ってしまうことがありますが、水分量を減らして糖分を蓄えることで、冬の寒さに耐えるといわれています。
それが、ホウレンソウが「霜に当ることで甘味が増す」といわれる理由です。
また、味の違いだけでなく、夏と冬に収穫されたホウレンソウを比べると栄養素にも違いがあり、冬のホウレンソウは夏よりもビタミンCが約3倍多く含まれています。
代表的な緑黄色野菜のひとつでもあるほうれん草は、カロチンや鉄も多く含まれています。
根の赤い部分にはマンガンも含まれているため、捨てずに工夫してお料理するのもいいですね。
ほうれん草には独特の風味がありますが、調理法を工夫すれば食べやすくなり、効率的に栄養を体に取り込むことができます。
調理をするときにはあらかじめたっぷりのお湯で湯がいた後に水にさらしてアクを取り除く必要がありますが、
ほうれん草に豊富にふくまれるビタミン類は水に溶けだしてしまうものもあるので、
できれば茹でたり水にさらしたりする時間は短くさっと調理するようにしましょう。

スーパーでほうれん草を選ぶ際は、緑が濃く葉が肉厚で、張りがあるもの、根の部分が鮮やかな紅色をしているものにしましょう。

■白菜

鍋の具材として欠かせない白菜は、ホウレンソウと同様に寒さに当ると甘味が増すといわれています。
白菜は90%以上が水分でできているため、栄養が豊富につまっている食材ではありませんが、
カリウムやビタミンC、食物繊維が含まれています。
また、水分が多い分、低カロリーなので、つい食べすぎてしまう冬には
肥満予防のためにも積極的に摂取したい食材の1つです。
日本ではちょうど鍋料理の時期に白菜が旬を迎えるため、鍋料理が定番ですが、甘みがありクセのない味わいで、さまざまな食材や調味料と相性が良く、和洋中の幅広い料理で使われています。
加熱や塩もみでカサを減らすことで、食べる量も自然に多くなりやすく、野菜不足が気になる方におすすめの冬野菜です。

スーパーで白菜を選ぶ際は、手に持ったときにずっしりと重量感があるものにしましょう。

■ 春菊

春に黄色の花を咲かせるため「春菊」という名前ではありますが、11月~2月頃が旬の冬野菜です。
関西では「菊菜」の呼び名で親しまれていますね。
特有の香りがある葉物野菜で、すき焼きなどの鍋料理によく使われています。
春菊は緑黄色野菜に分類され、冬野菜のなかでダントツに栄養豊富な野菜であり、
βカロテンは小松菜やほうれん草より多く含んでいます。
また、野菜の中ではカルシウムが多く、100gあたり120mg含まれているのも特長です。
春菊は、加熱時間が長くなると苦味が出やすいため、短時間で火を通すのがおすすめ。
1束購入して食べ切れない場合は、冷凍保存も可能です。
サッと下茹でしたあとに水気をよく切り、ラップで包んでから冷凍しましょう。
豊富に含まれるベータカロテンやビタミンEは脂溶性ビタミンであり、油脂と一緒に摂ることで吸収率がアップするので、
もししゃぶしゃぶの具材に用いる場合には、ごまダレがお勧めです。

スーパーで春菊を選ぶ際は、茎は細く短めで柔らかく、葉は色が濃くみずみずしく密生しているものにしましょう。
また、香りが強く、切り口が新しいものが新鮮です。

■ 大根

大根は年間を通して手軽に購入することができる野菜ですが、冬に旬を迎える野菜です。
季節ごとに品種も変わり、春から夏にかけてのものは辛味が強いですが、秋から冬のものはみずみずしく甘みが強くなり、
とくに寒くなった12月~1月ごろの大根はより甘みが増して一段とおいしく、サラダなどでも食べやすいです。
メイン料理から副菜、大根おろしなどの薬味としてまで、取り入れやすく、使い方も豊富で、あるととても便利なので冷蔵庫に常備している人も多いと思います。
大根は、ビタミンCが豊富で風邪予防にも効果があり、寒い季節にピッタリですね。
葉っぱは力ロチン、カルシウムが含まれている緑黄色野菜なので、ぜひ葉つきのものを。
油で炒めたり、おひたしにして食べると良いでしょう。

スーパーで大根を選ぶ際は、つやのある白色でずっしりと重く、ひげ根の少ない若いものにしましょう。

■ブロッコリー

ブロッコリーは輸入品も多いため通年スーパーで見かけますが、11月から3月にかけてが旬の冬野菜です。
とても栄養価の高い野菜として知られており、ブロッコリーにはレモン以上にビタミンCが含まれています。
また植物性のたんぱく質が含まれており、肉や魚などの動物性のたんぱく質よりも低カロリーでたんぱく質を摂取できるため、筋肉トレーニングやダイエットをしている人におすすめです。
私たちがよく食している部分はブロッコリーの蕾の集合部分ですが、茎の部分にも豊富に栄養が含まれています。

スーパーでブロッコリーを選ぶ際はつぼみの粒が小さく、粒同士が密に詰まったもの、色は紫がかった濃い緑色のものを選びましょう。

■ねぎ

日本でねぎは通年入手することができる身近な野菜ですが、冬場のねぎは甘みが強く、食べやすいのが特徴です。
ねぎ独特の辛味「アリシン」は、体を温めてくれる作用も期待できるので、寒い冬におすすめの野菜。
ネギの白い部分には風邪予防にぴったりのビタミンC、緑の部分にはカルシウムが豊富に含まれていて、
カゼで体が弱っているときなどにもいいですね。

スーパーでねぎを選ぶ際は白い茎が長くて太く、張りのあり、葉が青々としているのを選びましょう。

■レンコン

れんこんも1年を通してスーパーで販売されていますが、1~2月が旬です。
レンコンは、見た目は根のようなので蓮の根=蓮根と言われておりますが、
蓮(はす)の地下茎が肥大した部分を指します。
蓮の若葉も食べられます。
レンコンがおせち料理に欠かせない物となっている理由は、輪切りにした時に丸い空洞が並んでいて、向こうが良く見える事から、「先の見通しが良い」という縁起を担いでいるところからきています。
シャキシャキとした食感と穴が複数空いている形が特徴で、
そのまま調理すればシャキシャキの歯ごたえ。
すりおろして加熱すれば、もちもちの食感になり、調理法によってさまざまな食感を楽しめる野菜です。
ビタミンCや食物繊維が豊富なため、疲労回復や風邪予防、便秘解消などの効果が期待できます。
アクが含まれているので、カットしたら水や酢水に浸けて下処理しましょう。

スーパーでレンコンを選ぶ際は、的にふっくらとして、手にとったときに重量感があり、しっかりとした硬さを感じるものを選びましょう。
カットされている場合、切り口が変色していないものの方が新鮮です。


冬に旬を迎える果物

■みかん

冬の果物の代表格であるみかんは、もちろん冬に旬を迎える果物です。
あったかいコタツで、甘くてジューシーなみかんを頬張るのは、
冬の至福のひと時ですね。
特に12月頃からは、糖度が更に増した美味しいみかんが楽しめます。
みかんはビタミンCが豊富に含まれているため、風邪予防や美肌効果が期待できます。
水分量が多く、乾燥しがちな季節には食べるだけで水分補給ができるので、体にうれしい果物です。
包丁入らずでさっと皮がむけて、そのまま食べられるのも魅力の一つですね。

スーパーでみかんを選ぶ際は、果皮のきめが細かく、色が濃いものにしましょう。

■りんご

秋から冬に掛けてが旬のりんごは、青森県や秋田県などの寒い地方で多く収穫され、冬を迎えることによって甘さが増していきます。
甘酸っぱく爽やかな味とシャキシャキした食感や歯触りがたまりませんね。
「一日一個のりんごは医者を遠ざける」といわれるほど健康に良く、
特に皮にはポリフェノールが多く含まれていて、風邪などの防止にも効果があると言われています。
なので、できればよく洗って皮ごと食べるのがいいいですね。
りんごケーキや煮りんご、アップルパイなど、いろいろな楽しみ方があるのも魅力です。

スーパーでりんごを選ぶ際は、赤いリンゴの場合はお尻の方までしっかりと紅くなっている物で、大玉よりも中玉を選びましょう。

■キウイフルーツ

南国のフルーツというイメージがあるキウイフルーツですが、実は冬が旬の果物です。
国産物と輸入物(ニュージーランド)の時期がちょうど入れ替わるように出回るため、1年通して手に入れることができます。
キウイフルーツには、果肉が緑色のグリーンキウイと、黄色のゴールデンキウイがあります。
キウイを1日2個食べると1日に必要な栄養素がとれるといわれるほど、非常に栄養価の高い果物で、ビタミンCの含有量は実はみかんの倍ともいわれています。
他にもカリウムや食物繊維やビタミンEなど、健康な身体を維持するために必要な栄養素がたくさん含まれているので、日常的にキウイを食べるようにするのものもお勧めです。
ちなみに、ビタミンCやビタミンEはグリーンキウイよりも甘みが強いゴールデンキウイの方がより多く含まれていると言われています。

スーパーでキウイフルーツを選ぶ際は、きれいな楕円形で果皮のうぶ毛が綺麗に揃っている物にしましょう。


冬に旬を迎える海産物

冬に旬を迎える海産物も多くあります。
野菜や果物だけでなく、ぜひ海産物もチェックしておきましょう。

■ぶり

12月~1月が旬のぶり。
産卵に備えたくさんの餌を食べることにより、冬にしっかりと脂が乗ってくる冬の魚で、寒ブリなどとも呼ばれています。
成長段階に応じてモジャコ、ワカナ、イナダ、ワラサ、ハマチ、ブリというように名前が変わり(地方によっても呼び名は様々)、
80cm以上のものをぶりと言います。
ぶりはお刺身で食べても煮物にしても照焼にしても、どのような食べ方をしてもクセが少なく食べやすく人気があります。
たんぱく質や脂質が豊富で、他にもカルシウム、DHA、EPA、ビタミンB群、ビタミンDなども含まれています。
おいしい季節にしっかりと摂取したい食材ですね。

スーパーでぶりを選ぶ際は、
切り身で売られていることが多いぶりは、ツヤがあり、色がくすんでいないものが新鮮な印。
一匹のものを買うときは、全体に張りがあって、表面が輝いているものがおすすめです。

■たら

魚偏に雪と書く、タラの漢字からも分かるように、
身にたっぷり脂がのる冬が旬の鱈。
鱈は何でも食べる雑食性で貪欲なため、100種類以上もの餌を食べます。
「たらふく食う」は、文字通り鱈の腹のようになるまで食べる様子を表わしているんですよ。
クセの無い上品な味は和食、洋食を問わず使え、鍋ものや湯豆腐に合います。
雄の精巣である「白子」は鍋の具材やポン酢で食べるのが人気です。
私たちにとっても、身近な魚のひとつですが、
東北地方では、鱈正月とも呼ばれる様に、鱈一匹をまるまる正月料理として出されています。
鱈は、低脂肪・高タンパクなため、ダイエットに最適な魚と言われています。

スーパーで鱈を選ぶ際は、透明感があり身が張っているものが鮮度が高いとされます。
身の色は真っ白ではなく少しピンク色がかったものを選ぶと良いでしょう。

■牡蠣

欧米では、「月の綴りにRがつかない4月~8月は牡蠣を食べるな」とまでいわれるように、
冬が旬の牡蠣。
“海のミルク”と言われるなど、栄養価が高く、ビタミンB群や、亜鉛・鉄などのミネラル、アミノ酸、タウリン、グリコーゲンなどを豊富に含んでいる食材です。
特に亜鉛の含有量は食材の中でもトップクラスを誇っています。
新鮮なものは生でレモンを絞って食べたり、牡蠣フライや鍋にも人気。
牡蠣の内臓には食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着していることがあるので、
十分に加熱しないで食べると感染する危険性があり、注意が必要です。
健康面や美容面でのメリットが盛りだくさんの牡蠣は、
食べ過ぎに気をつけながら、牡蠣ならではの贅沢な味わいを堪能たいですね!

スーパーで牡蠣を選ぶ際は、
殻付きの場合は、口を固く閉じていて重いもの。
むき身の場合は、身と貝柱がしっかりくっついていて、身にツヤがあり丸々とふくらんでいて、身の外側の膜の色がくっきりしているものにしましょう。

■カニ

“冬の味覚の王様”と呼ばれるほど、圧倒的な存在感を放つカニ。
たくさんの種類がありますが、最も一般的はものといえば「タラバガニ」と「ズワイガニ」ですね。
「タラバガニ」は、太い脚が4対8本あり、大きな甲羅でトゲトゲしています。
淡白ですが食べ応えがあるのが特徴です。
一般的にズワイガニの2倍ぐらいのお値段です。
一方の「ズワイガニ」は、「タラバガニ」に比べ甲
羅が小さく、5対10本の細い脚がついています。
カニ本来のうまみがあり、繊細で甘みが強いです。
また、カニ味噌を楽しむとしたらこちらになります。
カニは高タンパクで低脂肪、タウリンやアルギニンを含む健康食材の1つで、
疲労回復、美肌効果と、ちょっとお高いけど身体にうれしい食材です。
そのまま豪快に頂いても、お鍋や雑炊に入れても絶品です!

カニを選ぶ際は、赤味の鮮やかなものつやのあるもので、手にもったときに小さくてもずっしりと重みの感じられるものにしましょう。
異様な臭いや不快な臭いのするものは避けた方がいいでしょう。


収穫の秋が終わると、自然界はひっそりと静まり返って春を待つ…
そんなイメージがあるかもしれませんが、
実は冬こそ、低温の中でじっくり太陽の光を浴びて光合成をする野菜や果物はビタミンやミネラルの含有量が各段に増え、
産卵に備え最も脂ののった魚や身の引き締った魚介類が増えたりと、
旬の食べ物が多くなる季節なのです。

そして冬といえば、
そんな旬の食べ物をふんだんに使った暖かい鍋料理に、おでんやシチューなどが
なんといっても食欲をそそりますよね。

また冬は、年末年始のせわしい季節。
親戚で集まったり、また、お歳暮で食材をもらう機会も多いでしょう。
まさに冬の旬である美味しい味覚を存分に堪能するチャンスです。

また、冬はさまざまな感染症が流行したり、イベント事が増えて肥満が気になる方や血圧が気になる方も増えてきます。
そのようなさまざまな病気の予防や改善のためには、食生活をバランスよく整えることが基本になります。
栄養バランスに気を付けた食事を摂る際に、旬の食材をバランスよく使ってより効率的に栄養を身体に取り入れるのがいいですね。

さぁ皆さん、冬が旬の食材をたっぷり味わって、寒い冬を元気に乗り超えていきましょう!