お肌のハリに欠かせない「エラスチン」とは?!ぷるんと弾む肌にはエラスチンが必要だった!!

多くの人が聞いたことのある「コラーゲン」。
コラーゲンといえば、プルプルした弾力性がお肌にハリをもたらしてくれるようなイメージがありますよね。
ところがその弾力性、コラーゲンの他に「エラスチン」と呼ばれる繊維成分によって支えられていることをご存知でしょうか?
コラーゲンほど知名度はありませんが、エラスチンも健康的なお肌を保つためには欠かせない成分です。
コラーゲンとエラスチンは同じ線維性タンパク質の一種ですが、働き方は違います。
今回は、「エラスチンとは一体何のこと?」「エラスチンの持つ効果とは?」「コラーゲンとエラスチンの違いは?」
と疑問をお持ちの方に、エラスチンについて詳しくご説明します!


■エラスチンとは?

人間なら誰もが持っているエラスチン。エラスチンは、私たちの生命維持に欠かすことのできない物質です。
エラスチンとは、主にコラーゲン同士を結び付ける働きを持つ繊維状のたんぱく質で、「弾性繊維」とも呼ばれています。
名前の由来は英語の「elastic(弾力・伸縮性のある、しなやかな)」によるもので、その名の通りゴムのように伸縮する性質を持ち、組織に弾力を与えています。
エラスチンは800個以上ものアミノ酸が連なって構成され、その80~90%はロイシン,アラニン,グリシン,プロリン,バリンの5種類のアミノ酸によって占められています。
エラスチンのみに含まれる特有のアミノ酸、デスモシン・イソデスモシンを含むことも特徴です。

■エラスチンはどこにある?

エラスチンは、生体内では動脈壁や靱帯、腱、肺、皮膚の真皮など、弾力性・伸縮性が必要とされる組織に多く分布し、弾性を与える働きをしています。
全身へ血液を運ぶ大動脈、曲げ伸ばし運動の大きい靭帯など、弾力を必要とする臓器ほどエラスチン量は多くなっています。
人間の体内の組織内のエラスチン含有量は、靱帯で約78~80%、動脈で約50%、肺で約20%、皮膚の真皮で約5%を占めています。

■エラスチンは減少する?

体内のエラスチン量は年齢とともに減少しますが、生まれた時に最も多く存在している訳ではありません。
赤ちゃんはあまりエラスチンを持ちませんが、成長と共に量が増え20代後半でピークを迎えます。
その後、紫外線・ストレス・加齢などが原因で、年齢とともにゆるやかに減少し、40代を迎えると急激にその量は減少していきます。
エラスチンは一度壊れてしまうと再生しないと言われているため、紫外線対策など日々のケアが大切です。

エラスチンの働きと効果

■肌とエラスチンの関係

人間の皮膚は大きく分けて、表面から順に表皮・真皮・皮下組織の3層から構成されており、エラスチンは真皮層のコラーゲン間に存在しています。
エラスチンがしっかりとコラーゲンを支えることにより、お肌の弾力やハリが保たれます。
ベッドに例えるなら、コラーゲンは形を作る「マット」、エラスチンは弾力を作り出す「スプリング」のようなものです。
エラスチンは、お肌のうえでは、コラーゲンのあいだをコイル状に巻きついて絡み合い、コラーゲンの繊維を束ねつなぎ止めるようにして、
肌の弾力を支える働きをしています。
コラーゲンが真皮全体の70%以上を占めているのに対し、エラスチンは僅か2~5%しか含まれません。
しかし微量のエラスチンは伸縮性や弾性によって皮膚に弾力を与え、皮膚のハリを保つ働きをしています。
つまり、エラスチンが不足すると、たるみやシワの原因になってしまうのです。

・コラーゲンとの違いは?

エラスチンとコラーゲンはよく混同されるので、両者の違いについてここでもう少し説明させていただきます。
コラーゲンは強度を司るタンパク質で、伸びたり縮んだりしない反面、引っ張りに強い「膠原(こうげん)線維」です。
一方、エラスチンはしなやかで伸縮性(弾性)があり、力を外すと元へ戻る性質を持つ「弾性線維」です。
つまりコラーゲンは強さ、エラスチンは弾力性が特色といえます。
どちらも必要な成分であり、エラスチンがコラーゲンを束ねているという共存関係があります。

■血管とエラスチンの関係

動脈(血管)は内側から内膜、中膜、外膜の3層から成っており、内膜の内側を血液が流れています。
大動脈は常に心臓より拍出される血圧を受けており、エラスチンより構成される弾性線維の弾力性・伸縮性が特に重要です。
このため、他の結合組織と比較して多くのエラスチンが存在し、乾燥重量あたり50%近くを占めています。
しかし加齢とともに血管中エラスチン含量は減少することが知られており、 血管疾病に関与すると考えられています。

・エラスチンは動脈硬化を防ぐ

エラスチンは心臓や全身の血液にも多く存在し、弾力を保つ機能を担っています。
しかし、活性酸素や加齢によってエラスチンが減少してしまうと、血管の柔軟性が失われるため、動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓などの疾病にかかりやすくなると考えられています。
血液を正常に循環させるためにもエラスチンは必須の要素なのです。
エラスチンが体内に十分ストックされていれば、血管をしなやかに保ち、弾性繊維の破壊を防ぐため、動脈硬化を防ぐことができます。

■靭帯とエラスチンの関係

靭帯は体のあらゆるところに存在し、骨と骨を繋ぎ、関節を形づくっています。
関節の安定化に関与し、また関節の可動域を制限する働きもあります。
靭帯は多くのエラスチン繊維とコラーゲン繊維が集まって構成されており、
エラスチンやコラーゲンが弾力性に富んでいるため、靭帯も伸縮性を保っているのです。
エラスチンが不足すると、靭帯が伸縮しにくくなりしなやかな動きが失われるため、靭帯の一部もしくは全てが切れてしまう靱帯断裂などの怪我をしやすくなるといわれています。

■バストとエラスチンの関係

バストはクーパー靭帯とよばれる靭帯によって保たれており、バストの下垂を防ぐ役割を果たしています。
クーパー靭帯の80パーセントはエラスチンでできています。
バストが栄養不足、加齢、授乳により下垂するのはエラスチンの減少が関係しているため、
エラスチンはバストラインや胸のハリ、弾力の維持に欠かせない成分と言えます。

■エラスチンの歴史

エラスチンは脊椎(せきつい)動物に広く分布しているたんぱく質でありながら、水などの溶剤に溶けにくいという性質を持っているため解析が困難であり、コラーゲンに比べ研究対象として取扱いにくく、あまり研究が進められていませんでした。
しかし、近年になりエラスチンを溶剤に溶かす方法が確立されて以降、急速に研究が進んだことにより、その性質や体内での役割が次第に明らかとなってきました。
現在では様々な病気との関わりも研究され、美容だけではなく健康機能成分としての役割も期待されています。

■エラスチンが少なくなるとどうなる?

体内でエラスチンが不足すると、コラーゲンを結びつけることができなくなり、肌の弾力が失われて、シワやたるみに繋がります。
肌以外にも血管の柔軟性が失われ、動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓を発症するリスクが高くなります。
また、エラスチンの減少によって靭帯の伸縮性が失われると、怪我をしやすくなってしまう可能性もでてきます。

■エラスチンを含む食べ物

エラスチンは、牛すじ、手羽先、軟骨といったような、こりこり、弾力のある触感の食べ物に多く含まれています。
また、カツオ、マグロなどにも多く含まれています。
これらはコラーゲンも含まれているので、意識して食事のメニューに摂り入れるとよいでしょう。
しかし、食べた栄養素がそのままエラスチンに換わるわけではありません。
消化分解されて、エラスチンをつくるための原料の一部になります。

■エラスチンの減少(異常)を防ぐには、どうすればよいのでしょうか?

エラスチンを毎日の食事に取り入れるのは、意外と難しいことです。
食材の調達も大変ですし、カロリーも気になってくるので、毎日これらのものばかりを食べる訳にはいきません。
エラスチンは、野菜や果物などの食材には含まれていないので、自然のものから摂取することはとても難しいと言えます。
しかし、コラーゲンは体内で生成することができますが、エラスチンは体内で新しく生成されないので、
失われたエラスチンを補うためには外から摂取するしかありません。
そこで、現在エラスチンについて様々な研究が行われていますが、サプリメントなどで摂取するのが最も賢明だと言われています。
効率よく摂取するには、水溶性で高純度のエラスチンを配合したサプリメントを選ぶのがいいでしょう。
リポソームタイプだとさらに吸収率は上がります。
その上で、紫外線を浴びすぎない、できれば禁煙する、ストレスをため込まない、バランスのよい食事を適量摂取する
といった心がけが、お肌のコンディションを整えるのに役立ちます。


いかがでしたか?
コラーゲンがハリと弾力の維持にとても大事なのと同じように、「エラスチン」もとても大事なことを、おわかり頂けましたでしょうか?
年齢とともに失われる肌のハリ・弾力。
体内でどんどん再生できるコラーゲンとは違って、つくれないエラスチンだからこそ、紫外線や活性酸素、ストレスなどからエラスチンを守り、うまく食品から摂取して、体内に維持できるようにしたいですね。
美容と健康に貢献する“弾性”のあるタンパク質であるエラスチン。
肌のハリや弾力を保ちたい方、美肌を目指したい方、いつまでも若々しくいたい方、動脈硬化を予防したい方、靭帯の怪我を防ぎたい方は、ぜひ覚えておきましょう!