セラミドで潤い溢れる肌へ!潤った肌と乾燥肌の大きな違いは「セラミド」にあり!

その肌荒れ、もしかするとセラミド不足が原因かも?

寒い冬。カサカサしたり、つっぱったり、なんだか小ジワも増えたような…
冬の肌トラブルに関係する大きな原因のひとつに、乾燥があります。
だからこそ、冬は乾燥肌対策をたくさんやっている!という人も少なくないでしょう。
しかし、そうした対策を行っているにも関わらず、思ったような効果が得られないという方も多いのではないでしょうか。
それは、もしかしたら“セラミド不足”のせいかもしれません。
セラミドは肌が自ら作り出すうるおい成分で、健康な肌を作る重要な役割を担っています。
しかし、セラミドはさまざまな要因で減少し、肌トラブルの引き金になってしまうのです。
減ってしまったセラミドは、どう補給すればいいのでしょう?!
今回は、セラミドの役割と効果、効果的なセラミドの補給方法について詳しくご紹介します!


■セラミドとは

私たちの皮膚は、体の外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」で成り立っています。
表皮はさらに、外側から順に「角質層(かくしつそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」という4層で構成されています。

セラミドが含まれているのは、表皮の中でも一番外側にある「角質層」です。
角質層はたったの0.02mmほどの厚さしかありませんが、紫外線や摩擦、ウイルスや細菌などの外部刺激から私たちの肌を守り、肌内部の潤いを逃さない “バリア機能”という大切な役割をもっています。

角質層には、皮脂膜・天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質といった3つの保湿因子が存在し、お肌のバリア機能を守ってくれています。
セラミドは細胞間脂質に属しており、細胞間脂質の50%以上を占める主成分です。
このセラミドの量が、外部刺激から肌を守るバリア機能や水分保持の働きに大きく作用し、肌に潤いやハリ、弾力などをもたらすといわれています。

角質層は、角層細胞が何層にも積み重なっていて、細胞と細胞の間を脂質が埋めています。
細胞間脂質とは、角層細胞の間にある脂質のことで、「セラミド」を中心とした脂質が水分を挟み込んで、何層にも重なっています。
「角質層は、角質細胞とセラミドがミルフィーユのように交互に重なり合っている」というと分かりやすいでしょうか。
セラミドは、角層細胞どうしのすき間を満たし、細胞どうしや水分をつなぎとめて水分を保つ働きをしてくれているのです。

■セラミドはどこから生まれる?

セラミドは、肌にもともと存在する成分です。
肌のターンオーバーと呼ばれる細胞の生まれ変わりに伴って生み出されます。
ターンオーバーとは、表皮の一番奥にある基底層から表皮細胞が生み出され、分裂を繰り返しながら角質層まで上がっていき、最終的には垢となって剥がれ落ちるという一連の流れのことです。
基底層から生まれてすぐの細胞には核があり、セラミドが細胞の中に含有されています。
ターンオーバーで細胞が押し上げられて肌の最も表面にある角質層に到達した時に、細胞は核がなくなり死んでしまいます。
その時に細胞内のセラミドが角質層内の細胞間脂質に放出されることで、角質層にセラミドが存在するようになるのです。

■セラミドの働き

・保湿機能

セラミドは肌の角質細胞のすき間を満たし、肌の水分を保持する重要な役割があります。
肌の角質細胞がレンガ状にキレイに並んだ状態が健康な肌であり、うるおいと透明感のある肌の源です。
セラミドは角質細胞同士をつなぐ、いわばセメントのような役割を果たしています。
角質層の水分の内、80%以上はセラミドなどの細胞間脂質に、16~17%は天然保湿因子に、2~3%が皮脂によって保たれているといわれています。
大部分を占めるセラミドが、肌の水分を保つ上でいかに重要かがお分かりいただけるかと思います。
セラミドは、湿度が0%になっても蒸発せず、気温が下がっても凍らない性質を持っていて、あらゆる環境でも対応できる非常に高い保湿力を持っている成分なのです。

<セラミドは脂質なのに、なぜ水を捕まえる?>
水と交わらないはずの脂質。ではどのようにして脂質であるセラミドは、水分をつなぎとめることができるのでしょうか?
実はセラミドは、親水基(水とくっつきやすい)と疎水基(脂とくっつきやすい)という2つの特徴をもった珍しい成分であり、水分と脂を同時に保持することができるのです。
角層細胞の間でセラミドは、それぞれ水をつかまえながら、その一方側で脂とつながって、一定の方向を向きながら整列することで、
水分の層と脂(セラミド)の層が交互にでき、積み重なって層状の構造をつくりあげます。
これを「ラメラ構造」と言います。
水と脂の層がきれいに並んだラメラ構造の中に抱え込まれている水分は、通常の水と異なり、寒さや乾燥が強い環境でも凍ったり蒸発したりしない結合水または不凍水と呼ばれる水です。
ラメラ構造が整っていることで、水分がしっかり抱えられ乾燥状態でも蒸発することなく、潤いに満ちた健やかな肌が保たれるのです。

・バリア機能

セラミドは、肌を外部刺激から守る「バリア機能」にとっても非常に重要な成分です。
角質層には、皮膚の水分の蒸発を防いだり、紫外線や細菌、アレルギーを引き起こす原因にもなるダニやホコリ、チリ、乾燥した空気などの外部刺激から肌を守る「バリア機能」が備わっています。
このバリア機能がきちんと働くためには、前述のラメラ構造が整っていることが大切です。
セラミドが細胞と細胞の間の隙間をなくすことで水分の蒸発を防ぎ、外部刺激が肌の奥に侵入するのを防いでいるのです。


■「セラミド」が不足すると、どうなる?

「セラミド」が不足すると、細胞間脂質はスカスカになり、ラメラ構造が乱れ肌のバリア機能が弱まってしまいます。
バリア機能が低下すると、いわばスキだらけの状態になってしまい、紫外線や空気の乾燥、摩擦、ほこりなどの外部刺激を受けやすくなり、わずかな刺激にも敏感に反応するようになったりしてしまいます。
その結果、肌が乾燥し、肌のキメが乱れたり弾力が失われたりして、少しの刺激が肌の赤みやかゆみなどの原因になり、小じわやシミといった肌老化も加速することに繋がります。
また、セラミドが不足すると、肌のうるおいを保てなくなるため、
「肌が乾燥する」→「セラミドが減る」→「バリア機能が低下して、さらに乾燥する」という乾燥の負のスパイラルに陥ってしまいます。

■セラミドが不足する原因は?

セラミドは、次のような原因で減少します。

・加齢
セラミドは、加齢とともに減少していきます。
赤ちゃんの時がセラミドの産出ピークで、生まれた瞬間から私たちの肌に存在するセラミドは徐々に減っていき、30歳を超えるとかなり減少し、50代では20代の約半分にまで減少してしまいます。
年齢とともに肌のハリや潤いがなくなり、肌印象が変化してしまうのはセラミド不足が大きく関わっているといえるでしょう。
顔だけでなく、年齢が出やすい手の乾燥、特にひじやひざの乾燥などは、加齢によるセラミド不足によるところが大きいです。
加齢を防ぐことはできないため、セラミドが減少するのは仕方のない部分でもありますが、
早めに対処することで、セラミドをできるだけ減少させないことも大切です。

・ターンオーバーの乱れ
肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」のサイクルが乱れることでも、セラミド不足が引き起こされることがあります。
セラミドは、ターンオーバーによって生成されるため、ターンオーバーの乱れはセラミドの減少を招きます。
つまり、ターンオーバーが乱れて肌の生まれ変わりが乱れると、セラミドはうまくつくられずに全体量が減少し、乾燥が進んでしまう原因になるのです。
さらにセラミドが不足すると肌本来のバリア機能も低下し、細胞分裂が亢進した結果ターンオーバーが乱れ、セラミドの代謝が滞って乾燥が進むという悪循環が生じ、肌の水分量がますます保てなくなります。
ターンオーバーが乱れる原因は、過剰な日焼けや睡眠不足、食生活の乱れや運動不足など、毎日の生活習慣やホルモンバランスの乱れなど、ライフスタイルと関連する場合が多いです。
セラミド不足に陥らないためにも、日ごろから規則正しい生活を心掛けることが大切です。

・洗顔のしすぎ
日常生活で最もセラミドが失われているのが実は「洗顔」なのです。
洗顔をしすぎると、肌の汚れと一緒にセラミドまで流れてしまいます。
ゴシゴシ洗いや過剰な洗顔、洗浄力の強すぎるクレンジングは要注意。また、タオルでゴシゴシ拭くのも危険です。
できるだけ低刺激で肌に優しい洗顔料やクレンジング剤を使い、たっぷりの泡で優しく、摩擦を避けて洗うように心がけましょう。
日に何度も洗顔している場合は頻度を抑えるようにしましょう。
洗顔後はどんどん乾燥が進むので、セラミドを配合した化粧水などで素早く保湿しましょう。
もちろんスキンケアも、肌に刺激をかけずに優しく行いましょう。


■【必見!】セラミドを補う方法

セラミドを効率よく補う方法について解説していきます。
「最近乾燥が気になるなぁ…」という方は、以下のことを参考に上手にセラミドを補充してくださいね!

<セラミドを含んだ食べ物を摂取>

セラミドを含んだ食品を摂取することで、体の内側からセラミド成分を補充することも可能です。
セラミドは、1日0.6mg以上摂るとよいといわれています。

セラミドを多く含む食べ物
・生芋こんにゃく
・米
・わかめ
・黒胡麻
・黒豆
・ひじき
・ごぼう
・小豆
・ソバ
・ホウレンソウ

最も含有量が多い「生芋こんにゃく」は100gあたり0.76mgのセラミドを含みます。
生芋こんにゃく100gで1日の必要量が摂ることができ、1日に約半丁ほど食べることでお肌のバリア機能の強化が期待できるといわれています。
しかしだからといって、偏った食生活ではその効果を十分に発揮することはできません。
セラミドを含んだ食べ物を摂るのと同時に、バランスの取れた食生活を心がけるようにしましょう。

また、セラミドを含む食べ物や飲み物だけでは摂取に限界があるため、セラミドを増やすサポートをしてくれる栄養素を取り入れるのも良いでしょう。
セラミドの生成にはお肌のターンオーバーの正常化を促す栄養素が必要なので、タンパク質やビタミン類などを含む食べ物と合わせて摂取するのがおすすめです。
また、良質な脂肪酸は、セラミドの生成や角質層の保湿因子の生成に役立ちます。オメガ3系脂肪酸のエゴマ油・亜麻仁油・青魚などを取り入れましょう。
これらは、効率的、総合的に健康的な肌へ導くことができます。

<セラミドを含んだ飲料の摂取>

飲み物からもセラミドを取り入れることができます。

セラミドを多く含む飲み物
・牛乳
・紅茶
・コーヒー
・甘酒

甘酒の原料に使われている米や米麹には、セラミドの元になるグルコシルセラミドという成分が含まれています。
また、牛乳由来のミルクセラミドは、人が持つセラミドと似ているため、吸収性が高いといわれています。
こうした飲み物を、意識的に普段から取り入れるのも良いでしょう。

<セラミドを補えるサプリメントで摂取>

1日0.6mgを食品だけで摂るのは難しいため、サプリメントで補うことも一案です。
体内に入ってきたセラミドは一度分解され別の成分となりますが、その成分が表皮に到達するとセラミドの産生が促されるため、皮膚のセラミドの量が増えるといわれています。
最近では錠剤や顆粒、ゼリータイプなど、多くのメーカーからさまざまなセラミドサプリが販売されています。

<セラミド配合の化粧品を使う>

即効性を求めるならば、外側から補う方法がおすすめです。
実は、美容液や化粧水でセラミドを外から補う方法に比べると、セラミドを飲んで効果を実感できるまでには、少し時間がかかります。
というのも、セラミドは、肌のターンオーバーの過程で作られますが、肌の角層がターンオーバーによって生まれ変わるのは、最短でも14日〜のサイクルが必要なのです。
それに比べて直接肌につけるスキンケアでは、セラミドを直接角質層に浸透させて肌の内部の水分量を上げることができるので比較的効果が早く現れやすいというメリットがあります。
肌の乾燥を感じたら、セラミドが配合された化粧水や乳液、美容液などのスキンケアを選ぶのがおすすめです。
特に乾燥や肌荒れが気になる部分に特化して塗る方法もあります。
「もうすでにセラミド配合の化粧品を使っているのに、乾燥が気になる」という方は、その化粧品のセラミド含有量が少ないか、油分不足かもしれません。
高濃度のものを選びましょう。

・化粧品に配合されるセラミドは、原料により大きく4種類に分かれます。

馬や牛から抽出された「動物性セラミド」、
酵母などから作る、人のセラミド構造に似た「ヒト型セラミド」、
トウモロコシや米、大豆、パイナップルなど植物が由来の「植物性セラミド」、
セラミドに似せて石油から化学合成した「合成セラミド(疑似セラミドともいう)」

セラミド配合の化粧品を選ぶ時は、パッケージの成分表示で原料と配合量をチェックするようにしましょう。

★セラミドは内側と外側の両方から!

セラミドは、食事や健康食品などの内側からと、化粧品などの肌の外側からの、両方から取り入れることがお勧めです。
どちらにもメリットがあり、外から補う「塗る」方法には「即効性」が、
また内側から補う「食べる・飲む」方法は「全身」に効果ががあります。
セラミドは日々失われていくので、少しずつでも毎日取り入れることが大切です。
肌の内側と外側の両方から、潤いのあるお肌を保ち続けたいですね。


■セラミドは細胞シグナル伝達物質である

少し難しい話なので、最後に説明させていただきます。

セラミドは、潤い成分として注目されることが多いものの、細胞の増殖や分化にも関わっていることが分かっています。
セラミドの生体作用のうち最も魅力的であると思われるのは、酵素群により細胞膜からセラミドが遊離し、これがシグナル伝達物質として作用する機能であり、
セラミドの細胞シグナル伝達物質として、分化増殖アポトーシスを制御することが知られています。
B波長の紫外線照射や酸化ストレスで産生の高まったセラミドがアポトーシスを誘導する機能があるため、
セラミドはしばしば「細胞死のメッセンジャー (messengers of cell death)」とも呼ばれています。
セラミドは、アポトーシスが生じる際に細胞内で生成され、アポトーシス誘導のためのシグナル分子として作用するのです。
つまり、セラミドは静的な構造物としてだけでなく、 細胞内において、その機能を調節する生理活性を有する動的な物質であるということがわかります。


あらゆる肌トラブルの初期原因となる、乾燥。
カサカサしたり、つっぱったり、肌荒れ、乾燥ジワ(小じわ)、かゆみ、皮膚を掻いたり衣服との擦れによる肌の赤み、そのあとに残るシミ…
すべての肌トラブルに関係する大きな原因のひとつに、乾燥があります。
そしてその乾燥は、「セラミド不足」が招いているかもしれません。
セラミドの量で、肌のうるおい状態は劇的に変わります。
セラミドがしっかり保たれた健やかなお肌は、湿度や気温が下がる真冬の強い刺激を受けても水分は蒸発せずに、しっとりとした肌を保ってくれます。
まさにセラミドは、「最強の保湿成分」と言えるでしょう。
肌荒れしやすい冬こそ、セラミドを補い、肌の防御力を上げるケアが大切です。
セラミドの働きや効果をきちんと知り、
セラミドを内側と外側から補って、みずみずしく潤う自信に満ちた肌を守りましょう!