唇は顔の体幹!口輪筋を鍛えると若々しい表情に!口輪筋を鍛えるメリットと筋トレ法

ふとマスクを外した自分の顔を見たときに、「この頃なんだか老けたような…」とドキッとしたことはありませんか?
「マスク美人」という言葉があるように、マスクで口元が隠れていると若々しく見えるのに外すと一気に老けたように感じる方が昨今増えているようです。
そう、若々しいか老けて見えるかの分かれ道は、実は口元が大きく影響しているのです。

口元の老化は、口周りの表情筋を動かさないと加速します。
そもそも日本語は、ほかの言語と比べて口を大きく開けなくても話せる言語である上、このコロナ禍で人との会話も激減。
何か伝えたいことがあってもメールやLINEで済ませるようになり、笑わない、話さないライフスタイルが、口元を支えている頬筋、口角挙筋、広頚筋、口輪筋をほとんど動かしていない状況を作り出してしまっているのです。
そして、次第に表情筋は衰え、ハリがなくなり、口元がたるみ、マリオネットラインやほうれい線が現れ始め、知らず知らずに老け顔をつくってしまいます。
「老け」を感じるのは主に口元から。口元の筋肉が垂れ下がると、それだけで老けた印象を与えてしまいます。

通常、体の筋肉は両端が骨にくっついた状態で収縮し、関節を動かしています。
しかし顔の筋肉、いわゆる表情筋は、片方が骨、もう片方が皮膚の裏側に張り付いています。
その多くが口の周りにある筋肉(口輪筋:こうりんきん)と密接になっており、唇に向かって放射線状にほかの表情筋が存在しているため、口輪筋が衰えると他の筋肉まで影響を受け、垂れ下がってしまいます。

つまり、顔の体幹は唇であり、口輪筋を鍛えれば張りのある顔を取り戻せる可能性大なのです!
さぁいますぐ、この記事を読みながら口輪筋を鍛えて、5歳、10歳若返ったようなあの頃の自分を取り戻しましょう!


◆口輪筋とは、どんな筋肉?

読んで字のごとく、口の周りの筋肉。唇の周りを囲んでいる筋肉です。
口角を引きあげたり、唇を開閉させたり、口をすぼめたり、口元の表情作りを担う中心的な存在です。
唇を閉じる働きによって、鼻呼吸を支えたり、口腔内の乾燥を防ぐとともに歯周病、虫歯、口臭の予防などにも役立っています。

この口輪筋は、普段意識して動かすことが少なく、加齢とともに衰えてしまいます。口角が下がってくるのもそのせいです。
また、『口輪筋』は多くの表情筋とつながっているため、口輪筋を動かすことで顔の筋肉の8割が動きます。
そのため、口輪筋をあまり動かさないでいると、他の表情筋肉も衰えてくることから顔全体の印象が老けてしまう傾向があります。


◆口輪筋が衰えるとどうなるの?

口輪筋は年齢とともに衰えてしまいます。
また表情が乏しくなったり、口を動かす機会が減ったりすることも、口輪筋の衰えに繋がります。
マスク生活が続き、表情の変化や会話の機会が減っているため、口輪筋の衰えに悩む人も増えているでしょう。
口輪筋が衰えると、どのような影響があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

・口元のたるみやほうれい線が目立つ

たくさんの表情筋が口輪筋から放射状に伸びているため、口輪筋が弱くなると、周囲の表情筋もあまり動かなくなり表情が乏しくなります。
口輪筋の衰えによって顔全体の筋肉の動きが悪くなり、口角を引き上げたり口元を支えたりする力が弱くなるため、口角が下がり、たるみやほうれい線、マリオネットラインが生じる原因となります。
つまり、口輪筋の衰えは、口元だけではなく、頬やアゴのたるみなど顔全体の老化を引き起こしてしまう可能性があるのです。

・口腔内の健康状態の悪化

口輪筋が衰えると、口を閉鎖していられなくなるため、唾液が蒸発して口の中が乾燥するようになります。
そうなるとプラークや細菌が制御されず、虫歯や歯周病、歯石の沈着、口内炎、口腔乾燥症、口臭に影響を及ぼします。

・口呼吸によりのどが炎症を起こす

口輪筋が衰えると口が開いてしまい、無意識に口呼吸をしてしまうことが増えます。
鼻呼吸は、空気の温度や湿度を調節し、呼吸器の乾燥を防ぎ体内に異物が入るのを防いでいますが、
口呼吸ではウイルスや細菌がのどの周りにある扁桃に直接付いていてしまい咽頭炎,扁桃炎や慢性的な炎症を起こしやすくなります。
時には炎症が全身へと広がり、大きな病気につながることもあります。

・睡眠時のイビキや無呼吸症候群の可能性も

口輪筋の筋力が低下していると睡眠中に口が開いてしまい、舌根が沈下し気道を塞ぐので、イビキや無呼吸症候群を起こしやすくなります。
酸素不足が眠りを浅くしてしまい、睡眠不足、記憶力低下、肥満の原因、不整脈、脳疾患や高血圧、糖尿病の原因へと繋がっていく場合もあります。

・誤飲

口輪筋が弱くなると唇を閉じる力が弱くなり、・物をうまく飲み込めず気管に食べ物が入るなど誤飲につながることも。

・発音が聞き取りにくい。

・表情が乏しくなる。


口輪筋を鍛えるメリットは?

・リフトアップに繋がる

口輪筋は頬筋や小頬骨筋、上唇挙筋、笑筋、オトガイ筋などのさまざまな表情筋とつながっているため、口輪筋を鍛えることは口元だけではなく、頬のたるみやほうれい線対策、目元やあごのゆるみなどのリフトアップにも影響を与えます。
口を動かし口輪筋を鍛えるこが表情筋全体を鍛えることになり、口元が引き締まり口角がキュッと引きあがった印象になります。
また、顔のたるみやしわがなくなり、顔全体が引き締まって小顔になる可能性も。
顔、唇の血行、血色がよくなり、豊かな表情が作れるようになるとも言われています。

・いびきや滑舌の対策にも

口輪筋から伸びる筋肉には、舌や口腔底を持ちあげる顎舌骨筋(がくぜっこつきん)などもあり、いびきや滑舌の悪さが筋力低下による場合は、口輪筋を鍛えることで低位舌の改善によりいきび防止、滑舌改善にも繋がります。

・口呼吸を防ぎ、鼻呼吸を誘発する。

口輪筋を鍛えることで唇の閉じる力を強くすることは、鼻呼吸を誘発します。
それにより、ドライマウスが改善により免疫力アップし、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
また、口腔内の乾燥を防ぎ、虫歯や歯周病のリスクを低減し、口の中の健康をキープすることにもつながります。
また、いびきや無呼吸症候群が改善されやすくなります。


口輪筋の衰えをセルフチェック!

このチェックで口輪筋の衰えを感じた方は、トレーニングで口輪筋を鍛えるのがおすすめです。

1. 500mLの空のペットボトルを用意します。
2. ペットボトルの中に女性なら100mL程度、男性なら150mL程度の水を入れフタを閉めます。
3. ペットボトルを唇でくわえ、10秒キープ
歯を使わずに10秒キープできればOKです。
10秒経たずにペットボトルを落としてしまったり、口周りが疲れて中断してしまったりした人は、口輪筋が衰えている可能性があります。

セルフチェックで10秒キープが難しかった人は、下記で紹介する口輪筋トレーニングにトライしてみてくださいね。

また、自分の唇をじっくりと観察してみて、山がつぶれて平坦になっていたり、口角が下がってきている、上唇の山あたりに梅干しジワが刻まれてきている状態なら、早めに口輪筋トレーニングを始めていきましょう!


口輪筋を鍛えましょう!おすすめトレーニング

加齢によって皮膚は衰えていきますが、筋肉はいくつになっても鍛えることができます。
口輪筋のトレーニングは、誰でも簡単に始めることができ、顔、唇の運動不足を解消できます。
丁寧に行うと口輪筋やそれにつながる表情筋に負荷がかかり、たるみやほうれい線防止、引き締めの効果も期待できます。

今回は自宅で簡単にできるトレーニングを6つ紹介します。
どのトレーニングから始めても問題ありません。慣れてきたら、2つ、3つ、組み合わせてるのもいいですね。
将来刻まれるシワの対策、今すぐ始めましょう!

◇口輪筋トレーニング:唇を思いっきり前に突き出す

口をしっかり閉じ、唇を思いっきり前に突き出します。
唇を「チュー」の形にし、左右の口角をしっかり中心に寄せて唇を丸く突き出すようにしてすぼめましょう。
アヒル口にするのではなく、唇が花開くよう、口の内側の皮膚を外に引っ張りだすようなイメージで行います。
唇の周り(口輪筋)に力を入れて10秒キープしましょう。
口笛を吹くのもオススメです。

◇口輪筋トレーニング:口を思い切り膨らませる

1.口の中全体に空気をためて、内側からほうれい線を伸ばします。
2.そのまま、口の中の空気を左右、上下に移動させましょう。
それぞれ5〜10秒ずつキープするのを3セット繰り返します。
唇が開いて空気が漏れないように、しっかり閉めましょう。
途中空気が減っていたら鼻から吸って足します。
思いっきり口に空気をためて、しっかり頬を膨らませるのがポイントです。

※日常生活での「裏ワザ」
「うがい」をするときにも、口輪筋トレーニングをすることができます。
ぶくぶくうがいのときには、唇をしっかりしめ、口の中で水を勢いよく早いスピードで還流させましょう。
さらに、頬を片方ずつ大きく膨らませてぶくぶくすると、より効果的です。

◇口輪筋トレーニング:割り箸を使う

1. 唇で割り箸をくわえます。
2. 鏡を見ながら、割り箸よりも高くなるように口角を引き上げます。
3. その状態を30秒間キープするのを3セット繰り返します。
最初はキープする時間が短くても、しっかり口角を割りばしよりも高い位置に上げるのがポイントです。
慣れてきたら徐々に時間と回数を増やしてトライしてみましょう。

お箸がない場合は、唇を口の中に丸め込み、そのまま口角を上げ、頬を上げて笑う方法もあります。
口角を横(外側)に引っ張ったようなポーズはNGです。唇を“U字”にするように口角を上方向に動かしましょう。最初は鏡を見てやってみるのがお勧めです。

◇口輪筋トレーニング:ペットボトルを使う

・空っぽの柔らかめのペットボトルを用意しましょう。
1.ペットボトルを歯を使わずに唇だけでくわえます。
2.息を吸い込みます。(ペットボトルをへこませるようなイメージで)
3.ペットボトルを唇でくわえたまま、ゆっくり息を吐きだします。(ペットボトルもとに戻すようなイメージで)
4.この動作を3セット行います。
使うペットボトルの形や固さなどで負荷も変わってきます。
慣れないうちは柔らかめのペットボトルを使うか、ペットボトルを一度手で潰すなどして柔らかくしてから使うのがおすすめです。
慣れてきたら固めのペットボトルで挑戦してみましょう。

◇口輪筋トレーニング:風船を使う

1.鼻から息を吸います。
1. 唇と頬の筋肉を意識して風船をゆっくり膨らませます。
2.その際、手は風船を支えるだけに。風船の口を指で押さえず、唇の力で支えるようにしましょう。
風船から空気が漏れないように、唇でしっかり保持することがポイントです。

◇口輪筋トレーニング: ボタンと糸を使う

直径2.5cm程度の薄いボタンと、糸(タコ糸、デンタルフロス)を用意しましょう。
1. ボタンに長めの糸を通して輪を作ります。
2. ボタンを唇と歯の間に入れ糸を外に出し、唇を閉じます。
3. 口から出ている糸を手前に引っ張り、唇の力でボタンが飛び出さないように唇を強く閉じます
4. 引っ張る力をゆるめる
5. これを5〜10回繰り返します。
糸を右斜めや左斜めなどに引っ張ると、さらに強い負荷がかかります。
基本の動きに慣れてきたら、引っ張る方向にバリエーションをつけて、口輪筋を効率的に鍛えましょう。

やってみると、唇や顔が疲れると思いますが、それが効いてる証拠。
時間が取れないときには、どれか1つだけでもOK。
大切なのは、毎日継続して行うこと です。
ぜひ、口輪筋を鍛えてイキイキした表情と健康を目指しましょう!


口輪筋トレーニングの注意点

ご紹介したトレーニング法はどれも簡単なものばかりですが、やりすぎには注意が必要です。
日常的なケアとして短時間のトレーニングを続ける程度なら、口輪筋が張ってしまうほど過度に筋肉が発達することは考えにくいので、
やりすぎてゴリラ顔に…なんてことはさすがにないでしょうが、鍛え過ぎは、筋肉が硬くなり口まわりがもりあがってくる可能性もゼロではありません。
疲れたら無理をせず、休憩しましょう。

また、口輪筋を鍛え始めてから、「以前よりも顔が大きくなった気がする」「エラ張りが目立つようになったのでは?」と感じる場合は、口輪筋ではなく「咬筋」という別の筋肉が鍛えられている可能性があります。
咬筋とは上下の歯をかみしめたときに硬くなるエラ部分にある筋肉です。
食いしばりや歯ぎしりなどのクセがある人は、咬筋に過剰な力がかかってしまい、コリが生じていることもあります。
咬筋はエラの目立ちにもつながるため、顔の筋肉の中でも特に鍛えてはいけない筋肉です。
口輪筋トレーニングの時、イーッと歯を食いしばってはいませんか?
食いしばってしまっている場合は、意識して上下の歯を合わせないようにしましょう。
もしエラ部分にコリがある場合は、しっかりほぐしてあげることも大切です。
また、口輪筋トレーニング中に目を細めてしまうと、シワがよってしまううえ、鍛えたい口元の筋肉が働きません。目は自然に開いておきましょう。

毎日の口輪筋トレーニングは、適度に楽しく行えるといいですね!


口輪筋は、周りの多くの筋肉と接するため、表情を司る中心的な存在。
唇はいわば“顔の体幹”であり、体幹を鍛えると日常的な動きでもボディメイクができるのと同じように、唇を鍛えると顔の筋肉全体に負荷がかかり、顔のリフトアップや引き締めを叶えることができます。

歳を重ねても口元がたるむことなく口角が上がっている人は、笑顔の人が多いです。
口輪筋トレーニングをすることで口角が上がるとともに、気持ちまで明るくなる人も少なくありません。
コロナ禍の影響でマスクを着用する時間が長くなり、口元を動かしたり、表情を変化させたりする機会が減っている今だからこそ、
鏡に自分の顔を映し口角をあげてみたり、マスクの下でこっそり筋トレをしたりして、ぜひ表情筋を動かすことや笑顔を作ることを習慣にしてみませんか?
口輪筋を鍛えるだけで、見た目だけでなく、仕事やプライベートで大きな変化があったという人もいたり、人生変わったという人さえいます。
表情筋が鍛えられて表情も豊かになると、人とのコミュニケーションもとりやすくなりますよ♪

いつでもどこでもできる口輪筋トレーニング。ぜひ今日から習慣にしていきましょう!!