舌を鍛えてすっきりフェイスラインと健康を手に入れる!舌の重要性と正しい舌の位置、舌の筋トレについて

突然ですが、質問です!
口を閉じてください。
今、あなたの舌先はどこを触っていますか?

A・舌が上あごにべったりついている
B・舌先が上の歯の裏についている
C・舌先が下の歯の裏についている、あるいは舌がどこにも触れておらず宙ぶらりん

正しい舌の位置は、Aです。
Aのあなたは、若々しく健康な舌の持ち主!
しっかり鍛えられた舌は持ち上げられて上あごにピタッとついています。
B・Cと答えたあなたは、筋肉の衰えた「落ち舌」になっています。
舌の筋力が低下すると、舌の位置が下がってしまうのです。

舌の位置なんて、なんの関係が?と思った方もいるかと思いますが、実は「舌の位置」こそが、健康・不健康を表すバロメーターとも言われています。
その理由とは…?!
今回はそんな“”に注目してお話ししていきます。


舌について、深く考えたことがありますか?
普段意識されることの少ない“舌”ですが、実は人間の健康に深く関係しています。
舌は、「呼吸」「食事」「会話」という人間が生きるために不可欠な3つの活動を支えています。
ほぼ筋肉でできており、見えていない根元部分が大きく、重さはなんと約150〜200グラムも!分厚いステーキ1枚分と考えると、結構な重さですね。

舌は7つの筋肉【眼輪筋(がんりんきん)、大頬骨筋(だいきょうこつきん)、笑筋(しょうきん)、口角挙筋(こうかくきょきん)、口輪筋(こうりんきん)、舌骨筋群(ぜっこつきんぐん)、広頸筋(こうけいきん)】で構成されています。

根元が舌骨についているだけで、そこから先は支えがないため、筋力が弱ってくると約200gの重さに耐えられなくなり重力に負けてだら~んと垂れ下がった「落ち舌」になってしまいます。

 


■不調の原因は「舌」にある?

先程お伝えした通り、通常、正しい舌の位置は、舌が上あごのくぼみ(硬口蓋:こうこうがい)にピッタリとくっついている状態です。
健康な状態のときの舌は、グーンと上がり上あごにべったり沿っていています。
ところが、舌の筋肉が衰えると舌の位置が下がります。

「落ち舌」になると、会話や咀嚼、飲み込む機能が低下します。
舌というと、「味を感じるところ」といったイメージがあるかと思いますが、
食べたものを噛むのを助けたり、のみ込んだりするときにも舌は欠かせません。
噛むのは歯の役割りだと思いがちですが、食べ物をかみやすいように歯の上に運ぶのは舌の役割であり、のみ込むときにも食べ物を塊にまとめ、喉に押し込んでいるのも舌の役割です。
なので、舌の筋力が低下すると、食べこぼしや、誤嚥(ごえん)でむせることが増えてきます。

そして、舌の筋力が落ちると、口腔内で舌の位置が下がり、下顎が下がって自然にぽかんと口が開きやすくなることから“口呼吸”になりやすくなります。
これが、免疫を下げる大きな原因とも言われており、感染症やアレルギーなど様々な弊害を生む危険性があります。
鼻のフィルターを通すことなく口から直接のどや気管へ乾燥した冷たい空気やほこり、ウィルス、細菌などを送り込むので、粘膜を傷めたり、感染症にかかりやすくなります。
また、体の水分と熱を奪うので冷え症になり、免疫物質が含まれている唾液の分泌は減ります。
さらに扁桃が慢性的に炎症を起こし、それがきっかけで二次疾患を招くことも。
また舌が落ちると顔が下向きになり、それによって気持ちまで下向きなってしまうことも考えられます。

また、美容面でも、舌の筋力が衰えると口まわりの筋肉が緩み、ほうれい線が濃くなったり、ブルドッグ顔を助長したりと、マイナス面がたくさんあります。
特に喉の奥にある舌骨筋(ぜっこつきん)周辺の筋力が低下すると、二重顎や首のたるみが起きやすくなります。


■舌の筋トレ方法

もし「落ち舌」になってしまっていたとしても、ご安心ください。
舌は筋肉、つまり鍛えられるのです。
舌の筋肉は、腹筋や背筋と同じく、自分の意思で動かせる随意筋の仲間。
つまり何歳からでも、しっかりとトレーニングをすることで鍛えられる部位です。

◇あいうべ体操

舌を支えるインナーマッスル「舌骨筋」と表層筋をダブルで鍛えて顔の土台をしっかり強化することができます。

①「あ~」と口を大きく開きます(1秒)。
②「い~」と口を横に大きく開きます(1秒)。このとき、口角と首の筋肉を意識してみてください。
③「う~」と口を尖らせて前の方に突き出します(1秒)。
④「べ~」と、舌を思い切り顎先に向かって下の方に伸ばします(1秒)。

①~④を1セットで10回繰り返し、1日3回すると効果的です。
声は出しても出さなくてもかまいません。筋肉を意識しながら大きく口を動かし、ゆっくりと行うのがポイントです。
※あいうべ体操は、顎関節症の方や口を開けると痛みがあるという方は、顎関節に負担をかけない「い」と「う」の工程のみを繰り返すなど、無理せずできる範囲で行ってください。

◇べろ回し

舌の筋肉だけでなく、口の中、顔、のど、首、あご、頭についているおよそ70種類もの筋肉を鍛えることができます。
特に、あごの下にある舌骨上筋群や、舌を動かす内舌筋と外舌筋が鍛えられ、垂れ下がった舌骨が引き上げられるので、二重あごの改善につながります。

①口を閉じ、舌先を歯と唇の間に入れます。
②円を描くように、歯ぐきをなぞりながら舌先をゆっくりと右回りに1周させます。
③左回りも同じようにしてください。
④①~③を1セットとして、3セット行います。

ゆっくりとできるだけ遠くに届かせる様なイメージで舌を回しましょう。
3回ずつ回すだけでもつらいという方もいると思います。最初は3回でもいいので無理せず、少しずつ回数を増やしていき、慣れてきたら30回を目標にしてさらに効果アップを狙いましょう。

◇誰にも気付かれず舌トレ

①口を閉じたまま、舌を上顎のくぼんでいるところにくっつけます。
②くぼみの部分を前後にこするようにする。3分ほどが目安。

◇スプーン相撲

①スプーンを口の前に持ち、舌を軽く突き出して、スプーンと舌で押し合います。
②8秒→休憩8秒を8セット行います

スプーンを押す力に逆らい、舌先でスプーンを押し返しましょう。

◇顔を上げて舌を上げる

①頭を上に向け、胸を張って腕を体の後ろで組みましょう。
②あごを上にあげた状態のまま、舌の先を鼻先につけるくらいの気持ちで伸ばします。
③舌を伸ばした状態で30秒〜1分キープします

慣れてきたらを1分半を目標にしましょう。

舌の筋トレは、誰でも簡単に取り組むことができます。
だらだらやっても効果は少ないので、集中して大胆に動かしましょう。


■舌を鍛えるメリット

◇口呼吸を改善する

舌の筋肉を鍛えることで、舌を高い位置でキープできるようになれば無理なく鼻呼吸できるので、口呼吸の改善につながります。
口呼吸を改善すれば、免疫力UP、ドライマウスや口臭の改善、虫歯や歯周病のリスク低下、いびきの改善など、様々なメリットがあります。

◇ 唾液の分泌を促進する

舌の筋肉を動かすトレーニングをすると、口周りにある3大唾液腺(耳下腺、舌下腺、顎下腺)が刺激されて、唾液の分泌が促されます。
唾液の分泌量が増加すると、口臭やむし歯、ドライマウスの予防につながります。

◇二重あごの解消・小顔効果

二重顎は、脂肪ではなく舌の筋力の衰えた結果とも言われています。
舌を動かすと、あごや喉元の筋肉が引っ張られ、二重顎がきゅっと引き締まり、小顔効果が期待できます。
また、舌骨筋の強化によって血行が促進され、余計な脂肪や老廃物をスッキリ排出されます。
そして、頬筋を舌トレで鍛えれば、頬の脂肪を内側から支えることができ、ほうれい線がうすくなります。
舌トレーニングは、顔のたるみやむくみを防ぐのにも効果的なので、小顔になりたい人やほうれい線が気になる人にもおすすめです。

◇滑舌の改善

舌トレで可動域を徐々に増やしていけば、舌が柔軟に動いてポジションを素早く変えられるようになり、滑舌が良くなります。
実際、アナウンサーやシンガーなど、声を仕事にする方は、舌トレーニングを欠かさず実践しています。

◇咀嚼・嚥下機能の回復

舌の動きをよくすることで、舌を正しいポジションに素早く動かせるようになり、舌に乗せた食べ物を噛みやすい位置にもっていき、噛み砕いた食べ物をきちんと飲み込めるようになります。
死亡原因上位の誤嚥性肺炎を予防することができるとも言われています。

◇いびきの軽減

舌の付け根の筋力が落ちると、仰向けに寝た時に舌が奥に入り込み、気道を狭くしてしまいます。
狭い気道を呼気が通り抜けるといびきになるので、舌の筋力を鍛えて正しいポジションに納まるようになれば、いびきは軽減できます。
睡眠時無呼吸症候群は舌の筋肉のゆるみが原因のことも多いとも言われているので、舌トレはその改善にも期待できます。

◇免疫力Up

舌トレで口呼吸を改善したり、唾液を増やすことで、免疫力を高めることができると言われています。
風邪やインフルエンザを予防するためにも、舌トレはお勧めです。

◇血色が良くなる

喉奥にある深層筋を鍛えると、顔に繋がる血管のポンプ機能がUP。血流が促進され、新陳代謝を促進する効果も期待できます。また、唾液が分泌されることで、唾液に含まれる若返りホルモン・パロチンの効果で美肌効果もあると言われています。

◇脳の活性化

舌筋には、舌下神経(ぜっかしんけい)が分布しています。舌下神経は脳神経の一つであり、脳に直接つながっています。そのため、舌を動かすことで効果的に脳を刺激し、活性化することができるのです。
また、舌を動かすことは脳を動かすこととも言われており、舌を鍛えると脳リンパの流れが良くなって、アルツハイマー型認知症の予防にも繋がると言われています。


あなたは、作り笑いを30秒間続けられなくなっていませんか?
巻き舌(トゥルルルル〜という音出し)ができなくなっていませんか?
いびきや歯ぎしり、食いしばりはありませんか?
二重顎ではありませんか?
滑舌が悪くなっていませんか?
食べこぼしが増えていませんか?
コロナ禍で人と話す機会が極端に減っていませんか?

このような方は、舌や表情筋が衰えている可能性があります。

「舌」の老化(筋力低下)=「体」の老化とも言われているほど、老いは舌から始まります。
舌の筋力が弱くなっていくのと連動して、体全体の筋力も低下していき、
さらにはさまざまな病気を呼び込んでしまう可能性も…。
「体のことを見直すなら、まず舌から」
舌の筋力は、まさに元気と長寿のカギを握る秘訣とも言えるでしょう。

また、舌の筋肉は、フェイスラインの美しさにも大きな関わりがあります。
舌の筋肉をはじめ口元の筋肉が鍛えられると、小顔効果や二重顎、しわ、顔のたるみの予防効果が期待できます。
特に昨今は、一日中マスクをつける生活が長く続いていることから表情筋が使われなくなり、顔のたるみに悩む方が増えているので、
アンチエイジングに取り組みたい方は積極的に舌トレをするようにしましょう。

舌は筋肉の塊なので、使わないと衰えます。
筋トレは裏切らない、と言いますが、舌筋も同様。鍛えれば鍛えるほど、美容と健康に寄与する筋肉に仕上がります。
個人差はありますが、1カ月ほど続けると輪郭や横顔に変化が現れ、長くても2、3カ月続ければ、ほとんどの人で舌の位置が改善されます。
ただし、はやく鍛えたいからといって、決して無理は禁物。
まだ慣れないうちに1日に何回もトレーニングをすると筋を痛めかねませんので、毎日少しずつ継続していくことが大事です。

“美と健康”は、毎日少しずつ着実に。
ぜひ毎日の生活に舌トレーニングを取り入れて、健康や美容維持につなげてくださいね!