その食材の組み合わせ危険かも?!悪い食べ合わせとは?!

前回の投稿では、食べ合わせ次第で栄養効果を最大限に引き出す食べ方をご紹介させていただいましたが、
今回は、残念ながらせっかく摂った栄養素の吸収を阻害してしまったり、消化不良を引き起こす「悪い食べ合わせ」について。

私たちは普段、さまざまな食材を同時に摂っています。
胃腸の負担や栄養素の観点から、食べ合わせが悪い・良いと言われている食品の組み合わせは、多岐にわたります。
悪い食べ合わせは、難しい言葉で「合食禁(がっしょくきん)」とも呼ばれ、
古くから「うなぎと梅干し」「天ぷらとスイカ」などの組み合わせは「食べ合わせが悪い」として認知されておりますが、
それ以外にも数多くの悪い「食べ合わせ」があることをご存知でしょうか?

普段よく食べている食べ物同士の相性が実は悪かった、なんてことも日常生活に割と溶け込んでいます。
まさに今日食べたお昼ご飯も、もしかすると胃腸の負担になっていたり、栄養の吸収を阻害している可能性も…?!
ただ、基本的にはどの食べ合わせも、大量に摂取しなければ健康上に大きな影響はありません。
注意する点は、「食べる量」。
必要以上に考え過ぎることはなく、バランスの良い食事を楽しみことが一番です。
けど、やっぱりせっかく食べるなら「食べた側から栄養が減っていた!」なんてことは避けたいですよね。

今回は知っておいた方がいい「悪い食べ合わせ」についてご紹介します。
知らなければ意外と起こりがちなので、
特に以下にご紹介する食べ合わせの食事をとる際には、食べ過ぎに注意してください。


さんま×漬物

さんまと漬物の食べ合わせは、日本人ならば比較的なじみ深く、定食などで出てきそうな組み合わせですよね。
ですが実は、この2つを組み合わせると発がん性物質を合成してしまいます。
さんまは、焼くとタンパク質が変化してジメチルアミンという物質が出来ます。
漬物は野菜に含まれる硝酸塩が発酵している途中で亜硝酸塩というものに変化していきます。
さんまのジメチルアミンと漬物の亜硝酸塩が組み合わさってしまうと、
発がん性物質の「ニトロソアミン」というものが作られます。
大量に食べることが無ければ過剰に心配しすぎることはありません。
これを抑えるにはビタミンCを加えるのが効果的で、レモンやすだちを絞ることで発がん性物質の産生を抑制することができます。

紅茶×レモン

紅茶とレモンの組み合わせはとてもポピュラーですが、注意が必要です。
紅茶に含まれるカフェインと、レモンの皮に残留する防カビ剤(OPP)が合わさると、発がん性物質になってしまいます。
つまりレモンが輸入モノであることが問題であり、防カビ剤さえなければ良い組み合わせです。
レモンティーを飲む際は、レモンの産地をよく確認し、外国産のものは避けるようにしましょう。

ほうれん草×ベーコン

お弁当のおかずとしても組み合わされることの多いほうれん草とベーコンですが、実は一緒に摂取すると栄養の吸収が阻害される食べ合わせです。
ベーコンには、添加物として「リン酸塩」という成分が含まれていることが多いです。
ほうれん草は鉄分やカルシウムを多く含む食材です。
リン酸塩自体には危険性はありませんが、カルシウムや鉄分と一緒に摂ると、その吸収を阻害するという働きがあるのです。
大量に食べなければ問題はありませんが、貧血予防にほうれん草を食べる際は避けたほうが賢明です。
食べ合わせるなら、無添加のベーコンを選びましょう。

お菓子×ヨーグルト

子供のカルシウム補給のため、おやつにヨーグルトを使う方もいるでしょう。
これ自体は良いことですが、スナック菓子を同時に出す場合は、その菓子の表示を必ずチェックしなければいけません。
市販のスナック菓子の多くに「リン酸塩」が含まれているからです。
ヨーグルトに含まれるカルシウムは、体内でリン酸塩と結びついて「リン酸カルシウム」となり、吸収されづらくなる性質があります。
カルシウムの摂取量を増やしたいときは、リンの摂取量を控えるようにしましょう。

トマト×きゅうり

トマトときゅうりは夏のサラダに欠かせない組み合わせですが、意外にも食べ合わせが悪いとされています。
トマトはビタミンCが豊富ですが、生のきゅうりと食べると、きゅうりに含まれる「アスコルビナーゼ」という酵素がビタミンCを破壊してしまうのです。
本来とれるはずだった量のビタミンCが取れなくなってしまうのは勿体無いですよね。
ただ、「アスコルビナーゼ」はを加えるとその働きを抑えられるので、一緒に食べる際は酢やマヨネーズを使用しましょう。

人参×大根

こちらも上記と同じで、ニンジンに含まれる「アスコルビナーゼ」が、大根のビタミンCを破壊してしまいます。
アスコルビナーゼは酢で働きを抑えるほかにも弱いので、ニンジンを使用する時は加熱してホットサラダにしたりするのもいいですね。
おせち料理の「紅白なます」は酢を使っているため、アスコルビナーゼの酸や熱に弱いという性質をうまく利用しているといえます。
アスコルビナーゼはその他にも、きゃべつ、かぼちゃ、りんご、バナナなどがあります。

天ぷら×スイカ

油で揚げる天ぷらは油分が多く、消化しにくい食べ物です。
また、スイカは約90%以上が水分です。
水分が多いスイカを食べると胃液が薄まり、天ぷらを消化しにくくなり、消化不良を起こしやすくなります。
胃腸の弱い人や下痢をしやすい人は、できるだけ避けたい組み合わせです。
この他にも、油が多い食品と冷たくて水分が多い食品の組み合わせとして「スイカとウナギ」や「アイスと天ぷら」なども該当します。

蕎麦となす

夏によく食べられる蕎麦となすですが、どちらも体を冷やす作用があります。
この2つを同時に食べることは、体の冷やしすぎを招き、腹痛や下痢を起こす原因ともなります。
特に、ざるそばと茄子の漬物などの組み合わせは要注意です。
体温が1°C下がると免疫力も下がると言われているので、茄子を天ぷらにしたり温かいそばで召し上がるのはいかがでしょうか。

ほうれん草×ゆで卵

卵をゆでると卵白から微量ながら硫黄分が生成されます。
ほうれん草には鉄分が多く含まれており、ゆで卵がもつ硫黄分と鉄分とが結合して栄養の吸収を妨げるため、ほうれん草とゆで卵は相性がよくありません。
ただし、卵をゆでなければ硫黄分は生成されず、鉄分と結合しなくなるため、生卵やスクランブルエッグなど、調理方法を変えることで防ぐことができます。
それは卵を割った瞬間に硫黄が気化し、空気中に飛んでしまうからです。
ほか、鉄分を豊富に含む食材にはレバーひじきがあります。これらもゆで卵との食べ合わせに気を付けましょう。

大根としらす

ダイコンおろしとシラスを一緒に混ぜることはよくありますよね。
しかし、大根に含まれる「リジンインヒビター」という酵素が、シラスに含まれる「リジン」の吸収を抑制してしまいます。
大根おろしとしらすはご飯のお供として人気がありますが、この組み合わせだとリジンを諦めることに…
そんな時は、お酢や柑橘類をかけて食べてください。リジンインヒビターがもつ、リジンの吸収を妨げる働きが抑えることができます。
もしくは、大根を加熱するか、2つを別々に食べましょう。

わかめ×ねぎ

みそ汁の定番の具材であるこの食べ合わせ。
しかし実は、栄養面では相性の悪い食べ合わせとなっています。
ねぎに含まれる「硫化アリル」という成分が、わかめに含まれるカルシウムの吸収を抑制してしまうからです。
ワカメの栄養をしっかり取り入れたい場合は、ネギよりも豆腐やしいたけの方が良いでしょう。
また、硫化アリルは熱に弱いため、ねぎを先に熱してからわかめと合わせれば、わかめのカルシウムもしっかり摂取することができます。

赤貝(ホタテ)×いくら

海鮮丼などでよく見る組みわせですが、赤貝といくらの食べ合わせも、あまり良くないとされています。
ホタテや赤貝にも含まれるアノイリナーゼという酵素が、イクラのビタミンB1の吸収を抑制してしまうからです。
アノイリナーゼは加熱で働きを失いますが、生で食べるときは、食べ合わせには注意が必要です。

うなぎ×桃

あまり聞いたことがない組み合わせですが、両方とも夏の食べ物なので、うなぎの後にデザートで桃を食べることがあるかもしれませんね。
うなぎには脂肪がたっぷり含まれていますが、この脂肪と桃に含まれる有機酸との相性が良くありません。
有機酸は脂肪の吸収を阻害し、脂の消化を悪くするという性質があるため、消化不良を起こしやすくなります。

エビ×レモン

エビの料理にはレモンが添えられていることが多いですが、実はこれ、良くない組み合わせ。
その理由は、エビに含まれると、レモンのビタミンCにあります。
エビに含まれる銅が、レモンに含まれるビタミンCを酸化させてしまうだけでなく、銅とビタミンCが反応して毒素を発生させる恐れがあります。
ただちに体に悪い影響があるわけではありませんが、エビフライやシュリンプ・カクテルなどに添えてあるにレモンを絞るのは、避けた方が無難かもしれません。

スイカ+ビール

夏は海でスイカ割りをしながらビール!というのもとても楽しそうですが、実はこの組み合わせは危険です。
その理由は、どちらも利尿作用があることから、脱水症状や急性アルコール中毒を引き起こしやすいという点。
この組み合わせは控えるようにしましょう。

納豆×卵

納豆と卵の組み合わせは定番ですね。しかし残念ながら、生卵は良くありません。
納豆にはビオチンという健康成分が多いのですが、卵の卵白にあるアビジンがビオチンの吸収を阻害してしまうのです。
そのため、アビジンを含む生卵と食べ合わせることはあまりおすすめできません。
ただし、卵を加熱して白身が固まるとアビジンは作用を失いますので、温泉卵なら問題ありません。生卵なら卵黄だけにしておきましょう。

大豆×レンコン

2つとも栄養豊富で優れた食材なのですが、この2つを同時に食べると、せっかくの栄養が台無しになってしまいます。
レンコンは大豆の鉄分などの吸収を邪魔してしまう上に、同時に食べることで腸内でガスが溜まり腸内環境が悪くなります。
煮豆やおつまみの枝豆などを献立にするときは、レンコンの料理を避けましょう。

【番外編】
「うなぎ×梅干し」は?!

昔から「一緒に食べると身体に良くない」と言われているうなぎと梅干し。
実際にこの食べ合わせを見かけることは現在もほとんどないでしょう。
ですが、結論から言えば一緒に食べても問題ありません。
栄養的・医学的にもむしろ理にかなった相性の良い組み合わせなんです。
なぜこの食べ合わせが悪いという説が広まったのかは諸説ありますが、
うなぎは昔から贅沢品の一つだったため、梅干しの酸味で食欲を促進させて高価なうなぎを食べ過ぎることのないように、
との理由で言われていた可能性も考えられています。
しかし、あくまで言い伝えのひとつであり、根拠のない迷信と言えるでしょう。

うなぎはビタミンB1、梅干しはクエン酸が豊富に含まれている食材。
ビタミンB1もクエン酸も、疲労を感じるときにとりたい栄養素として知られています。
つまり、「梅干のクエン酸+鰻のビタミンB群」はマイナスどころか相乗効果を生むため、
疲れを感じている方などにおすすめです。
また梅干しの酸が胃液の分泌を促しうなぎの脂の消化を助ける作用もあるため、胃もたれしやすいうなぎと合わせるにはむしろ良い食材です。
ただ、酸味も脂もとり過ぎると胃に負担をかけかねないので、胃腸の調子が良くないときはあまり食べすぎないようにしましょう。


いかがでしたか?
今まで、知らず知らずのうちに悪い食べ合わせで食べていたものもあったのではないでしょうか?
ほとんどの食べ合わせは健康な状態で適量であればさほど大きな影響はありませんが、避けた方が良い食べ合わせがあることも確か。
人ぞれぞれ体質があり、食べる量も異なるので、自分のその日の体調を見つつ、上手に取り入れられるといいいですね。
みなさんもぜひ、良い食べ合わせ・悪い食べ合わせを意識しながら、食事を楽しみましょう♪