幸せホルモン“セロトニン”を増やして心身共に美しく!!

今回は、前回の投稿「メラトニン」の続き。

セロトニンとは?

セロトニンは、脳の中で合成・分泌される神経伝達物質で、「ノルアドレナリン(神経を興奮)」や「ドーパミン(快感を増幅)」と並び体内で特に重要な役割を果たす“三大神経物質”の一つです。
リラックス、安心感、幸福感などをもたらすことから、別名「幸せホルモン」と言われています。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用があります。
セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れ、疲れやすくイライラしやすくなり、体調不良にも陥りがちです。
その状態が進行するとうつ状態になってしまうこともあります。

セロトニンは自然界の動植物に一般的に含まれる物質で、人体中には約10mgが存在しています。
このうち90%は小腸の粘膜に、8%は血小板に、残りの2%が脳内の神経に存在しており、僅か2%のセロトニンが精神面に大きな影響を与えていると考えられます。
視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布しています。


セロトニンにはどんな働きが?

■自律神経を整える働き

自律神経には交感神経副交感神経の2種類があります。
交感神経は主に活動している時に働く神経で、副交感神経は寝ている時に働きリラックス効果をもたらします。
セロトニンはこの2種類の神経を調節することにより、精神を安定させます。

■頭をスッキリさせる働き

朝起きて頭がすっきりしていくのは、セロトニンが脳の大脳皮質という部分に働きかけて覚醒の状態に切り替わるから。
目覚めが悪くいつまでも頭がボーッとしている人は、セロトニンが不足している可能性があります。

■姿勢筋や抗重力筋への働きかける

起床すると目がパッチリして背筋が伸びるのもセロトニンのおかげ。
セロトニン神経は体幹の抗重力筋姿勢筋に強い影響を与えます。
セロトニンが不足すると背側筋の筋緊張が低下し背が丸くなり、
顔面の筋緊張が低下し顔の締まりがなくなり、どんよりした表情になってしまいます。
セロトニンがちゃんと出ているかどうかは外見ですぐわかるとさえ言われてます。
セロトニンがしっかり分泌されていると、年齢関係なく若々しく輝いて見え、自然と表情もイキイキとしてきますよ。
さらに代謝や血行も良くなって、肌のツヤやハリもアップします。
以下でご紹介する、セロトニンを増やす生活を心がけて、内面からにじみ出る美しさを手に入れましょう。

■幸せを感じやすくなる

セロトニンは不安やイライラを抑え、精神状態を安定させてくれます。
その結果、ネガティブ思考の改善や落ち着きを取り戻すことにつながります。
そして、物事へのやる気が湧き上がるなどポジティブな行動を起こしやすくなります。
また、幸福感や満足感を感じやすくなるため、食べ過ぎやアルコールへの依存が自然と抑えられます。
特に、女性は男性と比較してセロトニン量が少ない傾向にあります。
そのため、ネガティブ思考に陥りやすいです。
女性は以下でご紹介する、意識的にセロトニンを増やす行動を取り入れると良いでしょう。

■よく眠れるようになる

セロトニンは、睡眠ホルモン「メラトニン」の原料になります。
日中にしっかりとセロトニンの量を増やすことが、メラトニンを増やすことに繋がり睡眠の質を向上させてくれます。
結果として、寝不足や不眠症が改善する可能性が高くなります。


セロトニンの美容効果

肌と睡眠は、深い関係があります。
睡眠時間が少ないと、翌朝、鏡を見てがっかり…という経験がある人も多いでしょう。
肌ダメージが修復されるのは夜、睡眠中です。
寝ている間に肌への栄養の補給や、老廃物の排出、細胞の新陳代謝などが行われています。
これらが正常に行われないと、古い角質が残ってくすみやごわつきにつながり、肌の美しさや弾力も失われていきます。
また、睡眠不足では肌の免疫力も下がり、にきびが悪化しやすくなります。
加えて、不規則な睡眠はホルモンバランスを乱す原因にもなるため、さらににきびが悪化してしまいます。
他にも、肌にツヤがない、乾燥している、キメが荒いなどの肌トラブルがある場合は、日頃から良質な睡眠がとれていないことが原因かもしれません。

良質な睡眠をとるのにとても大切なホルモンが、前回お伝えした「メラトニン」。メラトニンには、体に夜が来たことを伝え睡眠を促す働きがあるだけではなく、高い抗酸化作用もあります。
そして、成長ホルモンの分泌を促す役割もあります。
この「メラトニン」は、夜になると自然に分泌が増え始めますが、これは太陽が昇ってから日中に分泌される「セロトニン」が変化したもの
つまりセロトニンの分泌量がメラトニンの分泌量を左右するため、メラトニンを十分に分泌させるためには日中にセロトニンが十分に分泌されることが重要といえます。

睡眠がしっかり取れた日は、なんだかお肌もキレイですよね。
美肌のためには睡眠が何より大切であり、ひいてはメラトニン、セロトニンが大切なのです。

また、どんなに美人でも、いつもイライラしていたり、体調が悪そうだったり、暗い表情だったりすると魅力も半減しますよね。
逆に、いつも笑顔でイキイキしている人は、それだけでとても美しく見えるもの。
そんな人は肌のツヤや血色も良く、若々しく見えます。
そんなイキイキした幸せオーラを生み出しているのが、脳内の幸せホルモン「セロトニン」なのです。

また、セロトニンがしっかり分泌されているとストレスや睡眠不足による過食が抑えられるため、痩せやすくなるという嬉しい効果もあります。

心のためだけでなく、いつまでもキレイでいるためにも、セロトニンを増やす生活を心がけましょう。


健康や美容に良いこといっぱいのセロトニンは、生活習慣の乱れなどによって不足してしまうこともあります。
セロトニンが不足する原因はいろいろありますが、一番はストレスです。
ストレスを感じると、どんな人でもセロトニンの分泌は悪くなります。
ただ、ストレスを完全に取り除いた生活を送ることは難しいので、普段からセロトニンがしっかり出る生活を送ることが大切です。

セロトニンを効果的に増やす生活習慣

■朝、太陽の光を浴びること

朝、太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされてセロトニンの分泌が始まります。
太陽の光が目の網膜を刺激してセロトニン神経を刺激し、分泌を促します。
起床直後30分以内に、窓の近くや外に出て10〜30分ほどしっかりと太陽の光を浴びましょう。
家の中の電灯の光は太陽の光の明るさには到底及ばないため、活性化にはなりません。
屋内でも日当たりの良い窓の近くなら効果があります。
朝に分泌されたセロトニンは、夕方以降に「睡眠ホルモン」のメラトニンに変化し始めます。
そして、入眠時の寝つきが良くなり良質な睡眠が得られます。
「メラトニン」は、日光を浴びてから14~16時間後に分泌されるため、できるだけ起きてすぐ、遅くとも8時までには日光を浴びるのが良いでしょう。

■リズム性の運動を行う

一定のリズムでできる簡単な運動にはセロトニンの分泌を促す作用があります。
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スクワット、腹式呼吸、ガムをかむ、咀嚼(そしゃく)など一定のリズムを、「集中して」行うことが大切なポイントです。
“ながら”ではセロトニン活性化に繋がらないので、行動に集中しましょう。
例えばジムのウォーキングマシンの場合、テレビを見たりラジオを聞きながら歩くのは、セロトニンの活性にはなりません。
周囲に刺激がない状態で、無心で継続することが大切です。

ダンスなどの特殊なリズム運動ではなく、どれも簡単な日常生活レベルの運動なので気軽に実行できそうですね。

■グルーミング

本来は動物の毛づくろいのことですが、ここではスキンシップを意味します。
家族や恋人、ペットとの触れ合いや、エステのトリートメントといった直接的なスキンシップはもちろん、友人とのおしゃべり、家族団らんを楽しむといった心の触れ合いも、セロトニンの活性化に効果があると言われています。

ただし、メールやSNSといったネット上でのやりとりはグルーミングにはなりません。
直接顔と顔を合わせた交流こそが、セロトニンの分泌を促すことができます。

■涙を流す

涙を流すことはストレスを軽減する効果があり、セロトニンが増えると言われています。
セロトニンはリラックス効果のある副交感神経を活発にすることから、涙を流した後は心がスッキリ落ち着きます。
研究によると1滴涙を流すことで、1週間ほどストレス解消の効果が持続されると言われていますよ!

■「トリプトファン」が含まれた食材を食べる

セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。
トリプトファンは体内で生成できないので、食事から摂らなければなりません。
トリプトファンが豊富に含まれる食品は、豆腐・納豆・味噌・醤油・がんもどきといった大豆製品
牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトといった乳製品にも豊富に含まれています。
その他、そば、赤身魚、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。
トリプトファンの1日の摂取量の目安は体重1㎏あたり2㎎。
体重が60kgの方の場合は120mgとなります。

また、「ビタミンB6」は補酵素としてアミノ酸の代謝を助けるはたらきがあるため、アミノ酸の一種であるトリプトファンの代謝にも不可欠です。
ビタミンB6は野菜類から魚介類、肉類とさまざまな食品から摂取できるため、比較的摂取しやすい栄養素といえるでしょう。
ただし、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸はトリプトファンを脳へ取り込みにくくするため、植物性たんぱく質から摂ることをおすすめします。
トリプトファンを含む植物性たんぱく質には、油揚げ、納豆、豆腐など日本人にとってなじみ深い食品も多くあるため、
偏食さえしなければ日常的に十分摂取できるので、バランスの良い食事を心がけましょう。

どれも日々の生活に気軽に取り入れられるので、実践してみてくださいね。


いかがでしたか?
春は、出会いと別れ、新生活など、環境の変化が多い季節。
心の変化も多く、気付かないうちに心身が疲れてしまうかもしれません。
そんな不調に負けないためにも、セロトニンをしっかり分泌させて
前向きで明るい心身で過ごせるようにしていきたいですよね。

セロトニンは元気を心身に与えてくれる、体内で作られる“天然の薬”のようなもの。
お肌を綺麗にしてくれる“天然の美容液”でもありますね。
セロトニンが分泌されるだけで、幸せを感じるようになります。
まずは朝、太陽の光を浴びることから初めてみませんか?