水を飲むことのメリット

水は、美容と健康に良いとよく聞きますよね。
身近にあってお金もかからず、すぐに取り組める美容法として周知されていいるものの、
その具体的な飲み方や効果などはあまり知られておらず、
意識して実践している方は意外と少ないようです。
実際に水を飲むことで得られる美容効果や健康、ダイエット効果を知れば、
きっと改めて「水を飲みたい!」と思う方も多いのでは?!
今回は、水がもたらす美容効果から、水分摂取の重要性、美肌をつくるための水分量、水分の正しい取り方をお伝えしていきます。


◇人間の体には水が必要不可欠

人間の身体は半分以上が水分でできています。
人間の体を占める水分量は、乳児なら約80%、成人で体重の約60%、
高齢になると体内の水分量は減少していき、約50%になります。
水分は、「血液として栄養素や酸素を運ぶ」、「尿として老廃物を排出する」、「汗を出して体温調節する」など、
生命を維持するための重要な役割を担っており、
体内の水分が失われると生命の危機にもつながります。
・水分の約2%失われると、のどの渇き
・水分の約5%失われると、頭痛・脱水症状・熱中症など
・水分の約10%失われると、けいれん・循環不全など
・水分の約20%失われると、死亡
と言われている通り、人が生きていくうえで水分の摂取は欠かすことのできないものであることが窺い知れます。

◇体内の水分量は美を左右する

水分がたっぷりのお肌は潤いがあり、モチモチな赤ちゃん肌というイメージがありますよね。
逆に水分が不足すると、お肌はカサカサ乾燥し、肌荒れや吹き出物など様々な肌トラブルが現れたり、
毛穴やほうれい線が目立つようになり老けたイメージになります。
体内の水分量は、美や若さのバロメータに直結します。
水分量が減ると、肌の乾燥や基礎代謝の低下を招き、痩せにくい体にもなっていきます。
高価な化粧品を使って外側からどんなに保湿をしても、内側の水分補給まではできません。
健康な身体やお肌を維持するためには、毎日意識して水分を摂取することが大切です。

◇水分が体に与える作用

・リンパの流れが改善され、体内の老廃物が排出される
むくみは、水を飲むことで予防できます。
体がむくんでしまうのは、血液やリンパ液がうまく循環していないことが原因。
水を飲むことで、血液やリンパ液の巡りが良くなり、むくみにくい体になっていきます。
体の水分量とむくみは、大きく関係しているのです。
むくみは決して軽視せず、水分を摂って体の内側からむくみ対策をしていきましょう。

・便秘を改善する
便秘体質の人は、水分不足であることが多いです。
便がお腹の中で溜まってしまうのは、水分が足りずに便が硬くなっているのが一因のため、
水分量を増やしてあげれば、便秘が解消されやすくなります。
また、水を飲むと、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、便通が良くなる傾向があります。
特に、起床時にコップ1杯の水を飲むと胃腸の働きが活性化し、便意が起こりやすいと言われています。

お肌が荒れている人は、日頃から便秘気味というケースが多いです。
便秘をしていると、排出されるべき老廃物が体の中に残ってしまい、お肌に現れます。
便秘は肌荒れなどトラブルの原因にもなりうるため、美肌を目指すならば、便秘解消は必須です。
上手に水分補給をして便通を整えましょう。

・血流が良くなり、お肌へ酸素や栄養が届きやすくなる
水分をたっぷりと摂取すると、血液量が増加して、血液中の水分濃度も高くなってサラサラした血液になります。
血流が良くなるので、血液中の酸素や栄養素がお肌に届きやすくなり、肌荒れを防ぐことができます。
水分不足になると、血液中の水分濃度が低下して、ドロドロの血液になります。
粘度をおびた血液は流れが悪く、お肌へ栄養や酸素が届きにくくなり、その結果として肌荒れを起こす原因にもなるのです。
スキンケアやヘアケアは外側からのお手入れが一般的ですが、水を飲み血流を促すことも重要です。
そうすることで酸素や栄養が体に行き渡り、お肌や髪の美容効果が期待できます。

・健康的な肌細胞を維持できる
肌の細胞は、常に新しい水分を入れ替えて健康的なお肌を維持しています。
日々、水分を摂取することで、お肌の細胞は古い水と新しい水を交換していることになります。
水分不足になると、代謝が悪くなり、古い水のままで、細胞も新しく生まれ変われずに古くなっていくのです。
常に新しい水との入れ替えができていれば、お肌の細胞も常に若々しく健康的でいられます。

・肌の保水力が高まる
水を飲むことで肌の水分量を維持する、保水力が高まります。
保水力が低下すると、肌が乾燥してしまいシミやくすみなどトラブルの原因に。
どんなに化粧水や美容液を塗って保湿ケアを行っても、保水力が弱まった肌ではその効果を発揮することはできません。
保水力を担っているのは、真皮層で生成されるヒアルロン酸や、表皮層で生成されるセラミドです。
どちらも年齢とともに量が減少すると言われています。
しっかりと保湿ケアをしているのに肌の乾燥が改善されないのは、保水力の低下が原因かも。
その場合、水を飲んで保湿力を高めることも大切です。

・ニキビなどの吹き出物を防ぐ
そもそも吹き出物ができてしまうのは、体内に溜まった老廃物が原因の場合が多いです。
人の体は水分が不足すると排泄機能が弱まります。
排泄は同時に体内の老廃物を外に出してくれるため、排泄機能が弱まると、どんどん老廃物が体に溜まってしまうのです。
また乾燥も吹き出物の原因です。
乾燥している肌は外部からのダメージを受けやすく、炎症を起こしやすい状態。
水を飲むことで溜まった老廃物を排泄し、乾燥を防ぐことで、ニキビなどの吹き出物ができにくい肌を作ることができます。

・乾燥によるシワやシミ予防
水分が不足すると保水力が低下して肌の乾燥を招きます。
肌が乾燥すると弾力が低下してさらにシワやシミの原因を生み出します。
肌トラブルの大半は、水分不足だともいわれています。
水を飲むことは、若々しく美しい肌をキープするために、欠かせないことなのです。

・肌のターンオーバーを正常に保つ
加齢により新陳代謝が衰えてターンオーバーの周期が遅くなると、肌荒れやくすみやシミなどの肌トラブルを招くことも。
しっかりと体内に水分を補給すれば、血液が循環して老廃物が排泄され、新陳代謝が活発になります。
するとターンオーバーも正常になり、肌トラブルの改善も期待できます。

・髪の潤いを保つ
髪の美しさにも、水分量は影響しやすいです。
水分量が多い髪にはハリツヤがあり、ある程度の強度もあります。
しかし、傷みがひどくなると、ツヤがなくパサついた状態になり、ブラッシングなどで簡単に切れてしまうようになります。
子どものころは水分を多く含んでいた髪も、加齢とともにそれらは失われていきます。
また、大人の髪は紫外線やドライヤー、カラーリングなどでダメージを受け、水分が失われていることが多いです。

・体型を整える
きちんと水分補給することは、体の巡りを良くして基礎代謝を上げることができます。
それが、むくみの解消、老廃物の排泄、ひいてはダイエットにもつながります。
人は、汗をかいたり排泄することで体内の水分を常に少しずつ失っています。
もし、その分の水分を補わないと血液の濃度は高くドロドロになり、血行不良を招く可能性があります。
血行不良は様々な病気の原因となる一方、基礎代謝にも大きく影響します。
基礎代謝が低下すると、エネルギーの消費量が減ったり、老廃物などが適切に排泄できなくなります。
結果、むくみや肥満を招いたり、痩せにくい体質になると言われています。
また、普段必要以上に食べ過ぎてしまうという人は、食事の前に水を飲むのがおすすめです。
水を飲むことで胃が適度に膨らみ、食べ過ぎの予防になります。

◇1日に必要な水分摂取量

人それぞれ体重・身長・年齢や運動量によって、1日の水分摂取量は異なりますが、
一般的に1.5〜2Lが目安とされています。(食事にも水分が含まれてますが、その際に摂れる水分は差引いています)
人は息をして生きているだけで、1日に0.9〜1Lの水分を失われ、
その他、排泄される便や尿をあわせて、2.5Lの水分量が排出しているため、
思っているよりも多くの水を摂取しなければいけません。
かと言ってむやみに大量の水を飲んでも効果的とは言えないため、
目的や体調、運動量や食事内容によって、適量を見極めるようにしましょう。

◇ 水を飲むタイミング

水を飲む上で大切なことは、できるかぎりこまめに分けて飲むことです。
一度に大量の水を飲んでも、ほとんどが尿として排出されてしまうため、思うような効果は得られません。
30分ごとに一口飲むのが理想的な飲み方とされています。が、なかなか30分置きに飲むのは難しい場合もありますよね。
そんな時は、目安として、コップ1杯程度(150~250ml)の水を、起床後、入浴前後、運動前後、就寝前などのタイミングで摂取することがおすすめです。
小まめに数回に分けて摂取することで、効率良く吸収でき、健康や美容への効果が期待できます。

◇ ジュースではなく水を飲むのが理想的

水分補給は、体内に取り込まれやすい水を飲むことがポイントです。
ジュースやスポーツドリンクには糖分が入っているため糖分過多になってしまう恐れがありますし、
(スポーツドリンクは運動後の水分補給には効率の良い水分補給手段です)
お茶やコーヒー、お酒には利尿作用があるので、飲み過ぎると逆に体内の水分を失ってしまいます。
美容効果を高めるためには、ミネラルウォーターや水道水など、普通の水を1日1.5~2リットル程度飲みましょう。

◇ 水の温度

お水は冷えたものより、常温が好ましいです。
冬場は常温でも冷たすぎることがあるので、その場合は温めてから飲むのがよいでしょう。
水を冷やしすぎると体内を冷やしてしまい、体に負担がかかります。
さらには日常的に冷水を飲むと、冷え性や便秘を引き起こすことも。
氷をたくさん入れて飲んだり、冷蔵庫で冷やしすぎたりしないように注意しましょう。
水は常温でこまめに飲む、ということを意識すればより高い美容効果を得られます。

◇ 水分補給に適した水の種類

水には様々な種類があります。

・ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、原水となる地下水を殺菌処理して容器に詰めた水です。
天然のミネラル成分が含まれていることが多く、カルシウムやマグネシウムの含有量によって軟水・硬水に分類されます。

・軟水
水の硬度は水源の地域によって異なり、日本では軟水ですが海外の多くは硬水です。
海外で水道水を飲んでおなかを壊してしまう方が多いことから分かる通り、日本人の体質には軟水が合っていると言われています。
硬水より軟水の方が体内に水分を吸収されやすいので、水分補給に向いています。
日常的に摂取できる軟水は国産のミネラルウォーター、ウォーターサーバー、水道水です。
ただし、水道水はごく微量ではありますが発がん性物質のトリハロメタンが含まれています。
健康的に水分を補給するなら、ミネラルウォーターかウォーターサーバーの水がおすすめです。

・硬水
硬水は軟水と比べ、マグネシウムが多く含まれており、ミネラル補給には最適な飲料水です。
肉料理が多く出される北米やヨーロッパでは、不足しがちなミネラルの補給のために硬水が自然と選ばれ、
日常的に愛飲されているケースが多いようです。
また硬水は、便秘予防に役立つと言われています。
それに伴い、ダイエット効果やデトックス効果にも期待が集まっています。
しかし硬水を飲み過ぎてしまうと、下痢になることもあります。
またミネラルが大量に含まれている分、身体への負担となる場合もあるため、飲み過ぎには気を付けましょう。

・炭酸水
炭酸水は、二酸化炭素などの炭酸ガスを含む水のことです。
炭酸水の炭酸には血行促進作用、整腸作用、デトックス作用・代謝アップ・疲労回復などさまざまなメリットがあり、
特に砂糖などを含まない炭酸水が健康や美容に良く、海外セレブの美容法として人気に火がつきました。
いまや炭酸コスメ、炭酸シャワー、炭酸パックなど、飲むだけでなく、洗顔や洗髪などに使う人もいる人気ぶりです。

・白湯(お湯)
水道水を沸騰させたものが白湯です。
水道水に含まれる塩素などの不純物を除去した、身体のバランスを整えるおすすめの飲料水です。
白湯には、胃腸の調子の改善・血流が良くなる・老廃物の排出がスムーズに行われるなどたくさんのメリットがあります。
その他にも、便秘を解消したり、肩こり、腰痛を改善したり、冷え性を改善させる効果も期待できます。
白湯は、コスト面・安全面でも水分摂取には最適な飲み物と言われています。
自分の飲みやすい温度に冷ましてから飲んでもOK!
肌荒れの改善、予防にも期待できます。

・水素水
水素水とはその名の通り、水素を含んだ水。
アスリートやモデルにも愛飲者が多く、健康や美容に敏感な人たちから注目を浴びています。
飲用する水素水としては、アルミパウチやアルミボトル等に入れて販売されているものや、 水素水生成器により作るものなどがあります。
飲用することで、悪玉活性酸素を除去することができると言われており、老化や病気の原因を根本から防ぐ働きがあると期待されています。

・温泉水
ヨーロッパ諸国では古くから温泉水の飲用が盛んです。
地層から湧き出た温泉水には、ミネラルが豊富に含まれているため、美容の他、健康維持にも効果的とされています。
しかし、日本には飲用できる温泉が少ないのが現状のため、ミネラルウォーターの原水の一つとして温泉水が販売されています。

・アルカリイオン水
アルカリイオン水とは、アルカリイオン整水器を使って、水道水などの水を電気分解して作られたpH9〜10の弱アルカリ性の水のことを指します。
アルカリイオン水はスーパーやネット通販などでもペットボトル飲料として販売されており、誰でも気軽に購入することができます。
飲用することにより、胃腸症状の改善に有効であると言われています。


たかが水、されど水。
普段何気なく飲んでいた水も、飲み方を少しだけ変えるだけで
より健康的な身体はもちろん、美容面にも変化が現れるかもしれません。
毎日飲むものだからこそ、こだわってみませんか?
意識して水を飲むようにすると、想像以上の水の恩恵を受けることができるかも知れません。